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栗梅
「栗梅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栗梅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
鼻の穴のまわりが、息をするたびに動いている。
「あのね、お祖父《じい》様にね。」
栗梅《くりうめ》の小さな紋附を着た太郎は、突然こう言い出した。考えようとする努力....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
ゃ》、鶸茶《ひわちゃ》、鳶色《とびいろ》、煤竹色《すすだけいろ》、銀煤色、栗色、
栗梅、栗皮茶、丁子茶《ちょうじちゃ》、素海松茶《すみるちゃ》、藍《あい》海松茶、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
絵の櫛の光を沈めて、いよいよ漆のごとく、藤紫のぼかしに牡丹の花、蕊に金入の半襟、
栗梅の紋お召の袷、薄色の褄を襲ねて、幽かに紅の入った黒地友染の下襲ね、折からの雨....
「少女病」より 著者:田山花袋
ので、同じ歩調ですたすたと歩いていったが、高い線路に突き当たって曲がる角で、ふと
栗梅の縮緬の羽織をぞろりと着た恰好の好い庇髪の女の後ろ姿を見た。鶯色のリボン、繻....
「蒲団」より 著者:田山花袋
、車が三台来た。玄関に出した行李、支那鞄、信玄袋を車夫は運んで車に乗せた。芳子は
栗梅の被布を着て、白いリボンを髪に※して、眼を泣腫していた。送って出た細君の手を....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
も自動車にした。今度のは些大きく、宅の傍までは来ぬと云う。五丁程歩んで、乗った。
栗梅色に塗った真新しい箱馬車式の立派なものだ。米国から一昨日着いたばかり、全速五....
「古狢」より 著者:泉鏡花
を隔てて、一条青いのは海である。 その水の光は、足許の地に影を映射して、羽織の
栗梅が明く澄み、袖の飛模様も千鳥に見える。見ると、やや立離れた――一段高く台を蹈....
「野萩」より 著者:久生十蘭
てからまだ、こんな美しい膚の色も、こんな完全な横顔も見たことがなかったと思った。
栗梅《くりうめ》の紋お召の衿もとに白茶の半襟を浅くのぞかせ、ぬいのある千草の綴錦....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
向うに見える、庭口から巣鴨の通へ出ようとする枝折門に、曳きつけた腕車の傍に、
栗梅のお召縮緬の吾妻コオトを着て……いや、着ながらでさ、……立っていたのがお夏さ....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
生れてからまだこんな美しい膚の色もこんな完全な横顔も見たことがなかったと思った。
栗梅《くりうめ》の紋お召の衿もとに白茶の半襟を浅くのぞかせ、ぬいのある千草《ちぐ....