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「校正刷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

校正刷の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
のことを思い出した。彼は彼自身の勉強の外にも「芋粥《いもがゆ》」と云う僕の短篇の校正刷を読んでくれたりした。……… そのうちにいつかO君は浪打ち際にしゃがんだ....
虚構の春」より 著者:太宰治
谷、林彪太郎。太宰治様。」 月日。 「貴兄の短篇集のほうは、年内に、少しでも、校正刷お目にかけることができるだろうと存じます。貴兄の御厚意身に沁《し》みて感佩....
」より 著者:徳田秋声
ばらく来ぬまに、庭の花園もすっかり手入れをされてあった。机のうえに堆く積んである校正刷りも、I氏の作物が近ごろ世間で一層気受けのよいことを思わせた。 ....
光と風と夢」より 著者:中島敦
×日 引続いて微熱去らず。胃弱も酷《ひど》い。 「デイヴィッド・バルフォア」の校正刷、未だに送って来ない。どうした訳か? もう少くとも半分は出ていなければなら....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
伸子は、すぐ立って机のところへ行ってみた。素子の訳したロシアの作家の書簡集の校正刷りがその机の上にのっていて、わきに赤インクのびんが栓をするのを忘られたまま....
蓄音機」より 著者:寺田寅彦
もう一つの助けになるのは人間心理の特徴として知られた補足作用である。自分の文章の校正刷りを見る時に顕著な誤植を平気で読み過ごすと同じような誤謬が、不完全なレコー....
『土』に就て」より 著者:夏目漱石
に入らなかったのである。 余は「彼岸過迄」を片付けるや否や前約を踏んで「土」の校正刷を読み出した。思ったよりも長篇なので、前後半日と中一日を丸潰《まるつぶ》し....
木下杢太郎『唐草表紙』序」より 著者:夏目漱石
私は貴方《あなた》から送って下さった校正刷五百八十|頁《ページ》を今日|漸《ようや》く読み了《おわ》りました。漸くと....
椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
のでして、仕事がたてこんでくる時には、夜分まで居残っていても間に合わず、幾台もの校正刷を自宅に持ち帰って目を通すことさえあります。そんな時、校正が粗漏だったりす....
生前身後の事」より 著者:中里介山
子の研究」だのという小冊子を拵えては知己友人に配布していたのである、印刷機は今は校正刷に使っている式の手引という原始的の平版であった、その古機械を三十円ばかりで....
小説集「山吹の花」後記」より 著者:豊島与志雄
いからであろうか。その代り、作品の出来栄えについては、却って自分には見えにくい。校正刷を一覧したところ、淡々と書き進めた作品もあるけれど、それよりも、勝手気儘に....
初期詩篇」より 著者:原口統三
使者」の断片。原詩は次の「永劫への旅」と共に一高同窓会雑誌『枯葉』に投稿、同誌は校正刷りのまま戦災に遇い、原稿は散佚した。 かつてはおれの胸の中にも 驕りの花....
廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
……なにを欣二、お前そんな失礼な――いや、どうも、はははは!(誠がフイと立上って校正刷を持って上手扉から外へ出て行く) 三平 ははは、チョンガアが気を立てるわい....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
旅館の二階での歎息である。私は処女歌集の、「桐の花」の改訂をやっているので、その校正刷をここまで提鞄にしこたま詰め込んで来たものである。しかも私の校正なるものは....