栴檀[語句情報] »
栴檀
「栴檀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
栴檀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》の青や赤がいかにも美々しく入り交って、経を読む声、鈴《れい》を振る音、あるいは
栴檀沈水《せんだんちんすい》の香《かおり》などが、その中から絶え間なく晴れ渡った....
「竜」より 著者:芥川竜之介
ころどころには、青糸毛《あおいとげ》だの、赤糸毛《あかいとげ》だの、あるいはまた
栴檀庇《せんだんびさし》だのの数寄《すき》を凝らした牛車《ぎっしゃ》が、のっしり....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
法盛訳『菩薩投身餓虎起塔因縁経』に拠れば如来前身｜乾陀摩提国《かんだまじこく》の
栴檀《せんだん》摩提太子たり、貧民に施すを好み所有物一切を施し余物なきに至り、自....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の生杖《いきづえ》になっていた。
しかし、そこからは一歩一歩がたかく、それまで
栴檀《せんだん》のあいだに麝香鹿《じゃこうじか》があそんでいた亜熱帯雲南が、一変....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、反応もなければ反抗もせず……」 そこまで、云いつづけているうちに、頭上にある
栴檀《せんだん》の梢から、白い花弁《はなびら》が、その雪のように舞い落ち、滝人の....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
はまだ若い、血気も未《いま》だ定らない、志操も或《あるい》は根強く有るまい。が、
栴檀《せんだん》は二葉《ふたば》から馨《こう》ばしく、蛇《じゃ》は一寸にして人を....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
justyce!” 右に掲げた話は同書中の記事に拠ったのである。 三三
栴檀《せんだん》を二葉に識《し》る ここは英国某市の裏通り、数人の児童今やマー....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
の嫁にして、あの雑綴の木綿着を綾羅錦繍に易え、油気少きそゝけ髪に極上々｜正真伽羅
栴檀の油｜付させ、握飯ほどな珊瑚珠に鉄火箸ほどな黄金脚すげてさゝしてやりたいもの....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
良 前の歌の続で、憶良が旅人の心に同化して旅人の妻を悼んだものである。楝は即ち
栴檀で、初夏のころ薄紫の花が咲く。 一首の意は、妻の死を悲しんで、わが涙の未だ....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
パパイヤは固より南国的なものであるが、台湾の春には、極めて日本的なものがある。
栴檀の花とペタコとがそれである。
栴檀の薄紫の花の香は、この南国の空に日本への郷愁....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
り生れぬ言語を哺育み、 われは又わが心に本より死なぬ赤子を悲み嘆く。 われはこれ
栴檀の林、虚空の襞の大浪、 高山の車輪の一列、一切の変装者、 隙もなく魂を食み尽....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
な小川がある。小川の土手には松の並木もある。近くに土橋がかかっており、その袂には
栴檀の古い木があるので、その橋を
栴檀橋というのだそうだ。僕にはその名称も気に入っ....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
なら三つ位大丈夫です。しかし、みんなには不便でしょう。少し遠いんですから。」 「
栴檀橋の近くなら、遠くったって知れたもんだ。学校からせいぜい三十分ぐらいじゃない....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
お綾はその野末源之丞の許へ、小笠原金三郎の御落胤云々、と手紙を以て密告に及んだ。
栴檀の木稲荷の絵馬売の老婆に託して、源之丞が射場通いの途中、密と手渡して貰ったの....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
同族間を見廻わしましたが公高の右へ出る男の子は一人もありません。私は得息でした。
栴檀は双葉より香ばしいといいますが、ほんとに公高は輝いていて、生れながらにして人....