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根上り
「根上り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
根上りの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
の屋根を、森々と暗いまで緑に包んだ、棟の鰹木を見れば、紛うべくもない女神である。
根上りの根の、譬えば黒い珊瑚碓のごとく、堆く築いて、青く白く、立浪を砕くように床....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
曇を帯びて、見るに俤晴やかならず、暗雲一帯|眉宇をかすめて、渠は何をか物思える。
根上りに結いたる円髷の鬢頬に乱れて、下〆ばかり帯も〆めず、田舎の夏の風俗とて、素....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
これは申上げるまでもござりませぬ、五十鈴川の末、向うの岸、こっちの岸、枝の垂れた
根上り松に纜いまして、そこへ参る船もござります。船頭たちがなぜ素袍を着て、立烏帽....
「雁」より 著者:田中貢太郎
兵衛は夢中になって石を拾って投げたり、枝を拾って揮り廻したりした。 雁はやがて
根上りと云う処まで往って、其処の小山の松林の上を越して、落ちかけた夕陽の光に腹を....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
も共鳴するものを噛《か》みつくしているからだ」 といったようなことであった。あの
根上りの飛上った小さな丸髷《まるまげ》が、あの人の一面を代表しているようには見え....
「環礁」より 著者:中島敦
いるのだ。二人ともせいぜい四歳《よっつ》になったばかりかと思われる。大きな椰子の
根上りした、その鬚《ひげ》だらけの根元に立っているので、余計に小さく見えるのであ....