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「根城〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

根城の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
快ですから、倫敦へ引き上げる積りですが、爾なれば貴方は何所へ逗留なさるのです」と根城から攻め立られ、高輪田は当惑げに、唯「爾なれば――、左様さ爾なれば」と口籠る....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のような物で刺されたのであろうと彼は説明した。いずれにしても、自分の寺内の墓地を根城《ねじろ》にして、世間をさわがすような事を繰り返すのは甚だ迷惑であるので、祐....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
もなるたけ銭の要らない場所を選ばなければならなかった。彼等は結局この湯屋の二階を根城として、申し訳ばかりに時々そこらを出て歩いていた。そのうちに一方の高島の方は....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
常に外々しいものだった。少なくとも、ああしたことは一度だけらしく、翌日は、ヤンが根城にしようとした総合病院化を、父にすがって一蹴してしまったのである。これにはヤ....
少年探偵長」より 著者:海野十三
下ヘ ザールは、デルマが去りし後も一年 有半日本に停り、淡路島とその対岸 地方を根城として住みしが、日本人 には害を及ぼすことなかりしため彼 を恐ろしき海賊と知....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
町人百姓は氏郷を気の毒がって涙をこぼしたという。それは噂によれば木村伊勢守父子も根城を奪われた位では、奥州侍は皆敵になったのであるし、御領主の御領内も在来の者共....
鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
隣同士始終戦争ばかりしあっていました。 為朝は九州に下ると、さっそく肥後の国に根城を定め、阿蘇忠国という大名を家来にして、自分勝手に九州の総追捕使という役にな....
端午節」より 著者:井上紅梅
方玄綽は近頃「大差ない」という言葉を愛用しほとんど口癖のようになった。それは口先ばかりでなく彼の頭の中にしかと根城を据えているのだ。彼は初め「いずれも同じ」という言葉をつかっていたが、後でこ....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
であった。 この一画は貧民窟ではあったが、また罪悪の巣でもあり、悪漢や無頼漢の根城なのでもあった。 淫祠邪教の存在地なるものは、表面人助けが行なわれるが、裡....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ルツクの日本語学校で育った儂たちだ。松前の藩から、上陸を拒まれたを機に、この島に根城を求めたが、今までは一とおり、金髪にも亜麻色にも……。ええしたが、五大州六百....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
の。で、民弥殿のお身の上、心元のう存ぜられます。と云ってはたして茨組共は、どこに根城を構えていて、どこへ民弥殿を連れて行ったものやら、これさえ今のところ一向わか....
演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
のある劇団を招聘することもあり、平生は、その劇場専属の俳優の出演とか、その地方に根城をすえた職業的、非職業的劇団の公演にあてるとか、適宜の処置がとられている。 ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
か知らないが、明治十八年の四月、大阪俳優の一座をひき連れて上京し、本郷の春木座に根城をかまえて、五月から開場した。春木座は後の本郷座の前身で、以前は団十郎も出勤....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
邂逅して久闊を叙し、それから再び往来するようになっていた。その頃『早稲田文学』を根城として専ら新劇の鼓吹に腐心していた逍遥は頻りに二葉亭の再起を促がしつつあった....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
この隊で過ごしたのである。いな、陸軍大学卒業までも、休みの日に第四中隊の下士室を根城として兵とともに過ごした日は、極めて幸福なものであった。 私自身は陸大に受....