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根負け
「根負け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
根負けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いた。 「どうしまして」と、徳寿は頭《かぶり》を振った。「それにお時さんの方でも
根負けがしたと見えて、もう無理に呼び込もうともしませんから、わたくしの方でも仕合....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て、毎朝わしが綺麗に直して置くと、毎晩|根《こん》よく掻っ散らして行く。こっちも
根負けがしてしまって、きのうも佐兵衛どんの兄貴が来た時にその訳をよく話して、もう....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
親しむようになった。こっちの返事がいつまでも渋っているので、旦那の方でもさすがに
根負けがしたらしく、いつとは無しにその相談も立ち消えになった。巨大な魚は逃げてし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って遅々とたどって行った。しかしどこまで行っても際限がないので、こっちもしまいに
根負けがして、途中から空しく引っ返して来た。こういう訳で、かれの居どころはたしか....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
情に商売をつづけていたが、相変らずの窯変がつづくのでどうすることも出来ない。結局
根負けがして瓦屋を廃業して、土地や畑を買って農業を営むこととなったが、その後は別....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
捉らないばかりにして、無理無体に根ほり葉掘りの詮議をしますと、じいやもしまいには
根負けがしたらしく、とうとうこれだけのことを白状しました。 その話によりますと....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
つても頑として受け付けない。そういうことはできない性分らしい。近ごろではこちらが
根負けして好きにさせてある。結婚当時の私の定収入は月百円、シナリオを年に二、三本....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
衛は幾たびか石を投げたり枝を投げたりしたが、不思議に一度も当らないので、とうとう
根負けがしてやめてしまった。婿の家からいよいよ正式に破談の通知があった夜に、その....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
呼んだ。 ばあさんはやはり振向かない。幾度つづけて呼んでも返事はないので、彼は
根負けがした。あのばあさんはきっと聾に相違ないと思って舌打ちしながら表へ出ると、....
「穴」より 著者:岡本綺堂
足を洗った。 「まったく狐の仕業かも知れませんね。」と、母は言った。 父ももう
根負けがして、そのままおとなしく蚊帳のなかにはいった。しかもかの女のことがどうも....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
るのではない、唯一つ静かに落ちてくるのである。毎晩のことであるから、どの人ももう
根負けがしたらしく、特に進んでそれを詮索しようとする者もなかったが、そのなかで猪....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
にもここ明けて……。頼みます、頼みまする。」 女に似合わぬ根強さに、内でも少し
根負けがしたらしい。勝手にしろといわないばかりに、あくびまじりで答えた。 「それ....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
い落すと、彼も根よく網を張る。蜘蛛と私との闘は半月あまりも続いた。 私は少しく
根負けの気味になった。いかに鉄条網を突破しても、当の敵の蜘蛛を打ち亡ぼさない限り....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て泥土を斬るに等しい何らの手答えのない葛藤を何年か続けた後に、二葉亭は終に力負け
根負けがして草臥れてしまった。二葉亭のためにも勿論不幸であったが、細君の方にも同....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
失礼な女だ、厚かましい奴だと最初は玄関払いで面会を拒絶した私が、いつの間にか
根負けして渋々ながらでも会ったり、話したりするようになってしまいました。そして大....