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「格天井〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

格天井の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
行人」より 著者:夏目漱石
、自分は控所にある洋卓《テーブル》やら、絨氈《じゅうたん》やら、白木《しらき》の格天井《ごうてんじょう》やらを眺めた。突き当りには御簾《みす》が下りていて、中に....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
いているのであろう。何という悲しい事であろう」 と思いながら美事な香木で作った格天井《ごうてんじょう》を見ていましたが、熱い熱い涙が自《おの》ずと眼の中に溢れ....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
か、花瓶の雪の卯の花が、そのまま、御袖、裳に紛いつつ、銑吉が参らせた蝋燭の灯に、格天井を漏る昼の月影のごとく、ちらちらと薄青く、また金色の影がさす。 「なす、こ....
待呆け議会風景」より 著者:宮本百合子
右に翼をはっている大臣席など出場を待たせる雰囲気を醸しながらステインド・グラスの格天井からさして来る曇った冬の日光の底に静まりかえっている。 大分たって振りか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ておりますが……」 焚火に照らされた中空の老樹大木が、枝を張って、天空に竜蛇の格天井《ごうてんじょう》が出来ているように見えます。 風がまた強く鳴り出して、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
大がかり。いちど死にかけた娘をひろった嬉しまぎれで、金に糸目をつけぬ豪勢な祝儀。格天井を金泥で塗りつぶし、承塵《なげし》造りの塗ガマチに赤銅|七子《ななこ》の釘....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
逸文もまた失われてしまったろう。 椿岳の大作ともいうべきは牛込の円福寺の本堂の格天井の蟠龍の図である。円福寺というは紅葉の旧棲たる横寺町の、本との芸術座の直ぐ....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
お父様でも貴方がたでも、そんな綺麗にしてらっしゃって……」 と、私はもう一度、格天井に眼を放ちました。 「実際不思議です、僕にはそれが、不思議でならない……ど....
五重塔」より 著者:幸田露伴
りなしたる谷中感応寺の、どこに一つ批点を打つべきところあろうはずなく、五十畳敷|格天井の本堂、橋をあざむく長き廻廊、幾部かの客殿、大和尚が居室、茶室、学徒|所化....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
爛な、城郭のようなものだな) 武蔵は、なるべく眼をうごかすまいとしても、つい、格天井や、橋架の欄干や、庭面の様や、欄間の彫刻など、歩くたびに、眼を奪われてしま....
むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
のある声とは、全然違うものなのを、不思議に思いました。 唄い終ると新生寺さんは格天井を見詰めながら、疳高い透き通るような声で、さもさも嬉しそうに笑い出しました....