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「格子戸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

格子戸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
を見せる。少年は一度も後ろを見ない。 48 斜めに見た格子戸《こうしど》造りの家の外部。家の前には人力車《じんりきしゃ》が三台後ろ向き....
」より 著者:芥川竜之介
た、高い土手《どて》をめぐらしていた。のみならずどこか中世紀じみた門には太い木の格子戸《こうしど》の向うに、霜に焦《こ》げた檜《ひのき》などのある、砂利《じゃり....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
「身上判断《みのうえはんだん》、玄象道人《げんしょうどうじん》」と云う旗が、ある格子戸造《こうしどづく》りの家に出してあるのが眼に止まった。その旗は算木《さんぎ....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
と、さもしいことを並べていた。が、その手も利《き》かないのを見ると、手荒に玄関の格子戸《こうしど》をしめ、やっと門外に退散した。自分はこの時こう云う寄附には今後....
」より 著者:芥川竜之介
しょうぜん》として立っている。田中君の想像には、さっきからこの町のはずれにある、格子戸造《こうしどづくり》の家が浮んでいた。軒に松《まつ》の家《や》と云う電燈の....
大川の水」より 著者:芥川竜之介
こでもよい。これらの町々を通る人の耳には、日をうけた土蔵の白壁と白壁との間から、格子戸《こうしど》づくりの薄暗い家と家との間から、あるいは銀茶色の芽をふいた、柳....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
屋と荒物屋との間に挟《はさ》まって、竹格子《たけごうし》の窓のついた、煤だらけの格子戸造りが一軒ある――それがあの神下しの婆の家だと聞いた時には、まるでお敏と自....
或る女」より 著者:有島武郎
きり延びた垣添《かきぞ》いの桐《きり》の木とが目立つばかりだった。砂きしみのする格子戸《こうしど》をあけて、帯前を整えながら出て来た柔和な細君《さいくん》と顔を....
或る女」より 著者:有島武郎
吸った。そして二人は顔を見合わせてほほえみかわした。 その瞬間に勢いよく玄関の格子戸《こうしど》ががらっとあいて「おゝ寒い」という貞世の声が疳高《かんだか》く....
僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
かした気持ちになって、あっちこちを見廻《みま》わしました。 そうしたら中の口の格子戸《こうしど》に黒いものが挟まっているのを見つけ出しました。電燈の光でよく見....
卑怯者」より 著者:有島武郎
に突っかけ突っかけ先を急いだ。 子供たちの群れからはすかいにあたる向こう側の、格子戸《こうしど》立ての平家《ひらや》の軒さきに、牛乳の配達車が一台置いてあった....
星座」より 著者:有島武郎
った。釦《ボタン》をきちんとかけた。そして拭掃除の行き届いた硝子《ガラス》張りの格子戸を開けて、黙ったまま三和土《たたき》の上に立った。 待ち設《もう》けたよ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
を巻かせた、あの、すなわちその、怪しからん……しかも梅雨時、陰惨としていた。低い格子戸を音訪れると、見通しの狭い廊下で、本郷の高台の崖下だから薄暗い。部屋が両方....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
屋だちが一軒あって、抱え車夫が住んでいて、かく旦那が留守の折からには、あけ方まで格子戸から灯がさして、四五人で、ひそめくもの音。ひしひしと花ふだの響がするのを、....
初雪」より 著者:秋田滋
綴しているのが望まれた。 海岸通りにたち並んでいる家では、その柵のところに鉄の格子戸がひろい散歩路のほうに開くように付けてある。その路のはしには、もう静かな波....