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桃
「桃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
桃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
いる君の幸福を祈ると共に、一まずこの手紙も終ることにしよう。ラッサは今家々の庭に
桃の花のまっ盛りである。きょうは幸い埃風《ほこりかぜ》も吹かない。僕等はこれから....
「母」より 著者:芥川竜之介
子は眼だけ笑いながら、何本か手紙を男へ渡した。と同時に湯帷子《ゆかた》の胸から、
桃色の封筒《ふうとう》にはいっている、小さい手紙を抜いて見せた。
「今日は私にも....
「影」より 著者:芥川竜之介
いて来た。しかし日の光は消えたものの、窓掛けの向うに煙っている、まだ花盛りの夾竹
桃《きょうちくとう》は、この涼しそうな部屋の空気に、快い明るさを漂《ただよ》わし....
「河童」より 著者:芥川竜之介
はありません。職工屠殺法《しょっこうとさつほう》があるのですから。」
これは山
桃《やまもも》の鉢植《はちう》えを後ろに苦い顔をしていたペップの言葉です。僕はも....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
顔ばかりではない。その部屋のカミンに燃えている火も、火《ほ》かげの映《うつ》った
桃花心木《マホガニイ》の椅子《いす》も、カミンの上のプラトオン全集も確かに見たこ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
もと》に僕の滞在費を計算し出した。僕の目の前には扇が一本、二尺に足りない机の外へ
桃色の流蘇《ふさ》を垂らしていた。この扇は僕のここへ来る前に誰《たれ》かの置き忘....
「葱」より 著者:芥川竜之介
ある夜、お君さんはひとり机に向って、ほとんど一番鶏《いちばんどり》が啼く頃まで、
桃色をしたレタア・ペエパアにせっせとペンを走らせ続けた。が、その書き上げた手紙の....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た一人横になっていた。寝床には菅畳《すがだたみ》を延べる代りに、堆《うずたか》く
桃《もも》の花が敷いてあった。昨日《きのう》から洞中に溢《あふ》れていた、あのう....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しも行うに難いことではない。大抵の子は大抵の親にちゃんとこの格言を実行している。
桃李
「
桃李《とうり》言わざれども、下|自《おのずか》ら蹊《けい》を成す」とは....
「女仙」より 著者:芥川竜之介
昔、支那の或田舎に書生が一人住んでいました。何しろ支那のことですから、
桃の花の咲いた窓の下に本ばかり読んでいたのでしょう。すると、この書生の家の隣に年....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
三日たった後、A中尉はガンルウムのテエブルに女名前の手紙に目を通していた。手紙は
桃色の書簡箋に覚束ないペンの字を並べたものだった。彼は一通り読んでしまうと、一本....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
円と云った。誰がそんなふくれっ面の香炉を買うものか。 それから広小路で、煙草と
桃とを買ってうちへ帰った。歯の痛みは、それでも前とほとんど変りがない。 午飯の....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
。その家を畑ごとお前にやるから、早速行って住まうが好い。今頃は丁度家のまわりに、
桃の花が一面に咲いているだろう」と、さも愉快そうにつけ加えました。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
だ少年のころはじめて栗鼠射ちで手柄をたてたのは、この渓谷の片側に茂っている高い胡
桃の木の林だった。わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど午どきで、自然は....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
男のKさんと、奥さんもたまには来られた様であったが、香椎の山奥で作ったと云う水密
桃だの梨だの葡萄だのを市場――筆者の父は青物果実問屋の親爺であった――へ持って来....