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「案じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

案じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
葉巻の煙の中から、薄眼《うすめ》に彼女を眺めていた。 「嚊《かかあ》の事なんぞを案じるよりゃ、お前こそ体に気をつけるが好《い》い。何だかこの頃はいつ来て見ても、....
星座」より 著者:有島武郎
に通う神経は腐って死んでいると医者もいうが、わしはお前がたに奇蹟を見せてやろう。案じることはない」 父は歩いた。おぬいも自分の肩に思ったより軽い父の重みを感じ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いと思っていましたら、都合好く順々に出て来たので、案外にばたばたと片付きました。案じるよりは産むが易いとは此の事です」 最後に残ったのは女二人の始末である。そ....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
評議をしていても果てしがない。ともかくも主人に逢った上でまた分別の仕様もあろう。案じるよりも産むが易いの譬《たと》えで、思いのほかに主人がこころよく免《ゆる》し....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
彼はいよいよ藻と親しくなった。その藻の父が長くわずらっているので、彼は自分の父を案じるように毎日見舞いに来た。そうして、藻が清水へ夜詣りにゆくことを一七日の後に....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
者で、実は少し調べたいことがあって出て来たんだが、おまえの話でみんな判った。もう案じることはねえ。良次郎はきっと連れて来てやるから、二、三日おとなしく待っている....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
縛めをも解いてくれた。やがてこの間の女が出て来て、さぞびっくりしたろうが、決して案じることもない、怖がることもない、唯おとなしくして、わたし達の云う通りになって....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
もした。 それからまた、遠く離れて居れば、むす子の健康が、一番心配だとしきりに案じるかの女を安心させるため、むす子はかの女達が、英国や独逸へ行って居る間に出来....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
当番その他のよんどころない差支えでない限り、ひと晩でも参詣を怠らなかった。主家を案じるのは道理であるが、夜詣りをするようになってから、彼は決して供を連れて行かな....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
ったが、さてお前様がさぞ泣続けるこんだろうと、生命が縮まるように思っただ。すると案じるより産が安いで、長い間こうやって一所に居るが、お前様の断念の可いには魂消た....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
」 力なげに槍を拾うて立ちしが、 「貢、もう己あ邪魔あしない。堪忍してやらあ、案じるな。」 と、くるりと此方に背向けつつ、行懸けしが立ち返りて、円なる目に懸....
人狼」より 著者:岡本綺堂
ぎ もう片付けて帰りましょう。 おいよ ふだんと違って此頃は、帰りが遅いと内でも案じるであろうから、日の暮れぬうちに早くお帰りなさい。 二人 あい、あい。 (お....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
ば可い。そうして、お前も喉を突く真似をしろ。そこへ誰かが飛び込んで取|鎮めるから案じることはない。何故そんなことをしたかと調べられたら、お前は何にも云わずに泣い....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、起られるか、遣ってみろ一番、そうすりゃしゃんしゃんだ。気さえ確になりゃ、何お前案じるほどの容体じゃあねえんだぜ。」と、七兵衛は孫をつかまえて歩行は上手の格で力....
一日一筆」より 著者:岡本綺堂
会話の成績が悪いとあるいは落第するかも知れぬと実事虚事打混ぜて哀訴嘆願に及ぶと、案じるよりも産むが易く、ヘボンの字書なら買ってもいいということになって、すぐに二....