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梅子
「梅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
りさまに両親を見てにっこり笑った。自分はそのまま外へ出る。物置の前では十五になる
梅子《うめこ》が、今|鶏箱《とりばこ》から雛《ひな》を出して追い込みに入れている....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
嫁《とつ》いだ妻の妹の運命に関した報知であった。手紙にはこう書いてある。 「……
梅子事|末《すえ》の弟を伴《つ》れて塔《とう》の沢《さわ》の福住《ふくずみ》へ参....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
も三人のうち二人だけはぜひ出てくれという師匠からの話があったから、どうしようかと
梅子がいい出した。
梅子は両親の心もたいていはわかってるから、師匠がそういうたとば....
「赤外線男」より 著者:海野十三
瞭な説明をつけ加えた。轢死人は彼の末の妹だったのだ。 「このコンパクトですがネ、
梅子――これは死んだ妹の名前なのです、
梅子はもう五年もこのコティのものを使ってい....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
十二歳の山川捨松嬢なぞのいたいけな年ごろの娘たちで、中にはようやく八歳になる津田
梅子嬢のような娘もまじっていたとか。大変な評判で、いずれも前もって渡された洋行心....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
ど、戸はことごとくしめて、手水鉢に水絶え、庭の青葉は茂りに茂りて、ところどころに
梅子こぼれ、青々としたる芝生に咲き残れる薔薇の花半ばは落ちて、ほのかなる香は庭に....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
授をしていた、一人の末子を対手に一人の老僕に家事を任かして。 この一人の末子は
梅子という未だ六七の頃から珍らしい容貌佳しで、年頃になれば非常の美人になるだろう....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
しげな微笑は頬の辺りにただよい、何とも知れない苦しげな叫び声は唇からもれた。 『
梅子はもうおれに会わないだろう』かれは繰り返し繰り返し言った。『しかしなぜだろう....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
。そして今、四十歳にして彼は、男の子が一郎から八郎まで八人、女の子が春子、冬子、
梅子、秋子、桃子の五人、合計十三人の父親だった。 十三人というからには、勿論母....
「秦の憂愁」より 著者:豊島与志雄
縁で、或る時の秦啓源の姿をも思い出させた。 秦啓源が東京にいる時、赤坂の芸妓の
梅子と深い仲だったのは、星野たち一同には周知のことだった。
梅子はもう二十六七歳の....
「早春」より 著者:豊島与志雄
日、運搬屋が梅の木を持ちこんできた。そして昨日、彼自身やって来た。北川さんの妹の
梅子に、梅の木を贈る約束をしたから、それを果すんだと言う。
梅子に聞けば、そんな約....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
っての堕落書生で、芸者は買う、娘義太夫や女芸人ともネンゴロとなる、特に女剣劇梅沢
梅子一座の花形、梅沢夢之助という美貌の女芸人とは深い仲である。敏司が業を卒えたら....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
想うときはなかった。 相当の地位の官吏の娘と生れ、英語塾で教育を受けた彼の妻の
梅子は、当時に於てはモダンにも超モダンの令嬢である筈だ。ところが歌舞伎芝居が好き....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
るように誘惑するからひどいよ。ことに教育課長が引っ懸っているカフェー・アブナイの
梅子というのは、鼻毛で放れ馬を繋ぐとまで言われている妖婦なんじゃ」 「困ったもの....
「それから」より 著者:夏目漱石
の関係している会社へ出たので、今では其所《そこ》で重要な地位を占める様になった。
梅子《うめこ》という夫人に、二人の子供が出来た。兄は誠太郎《せいたろう》と云って....