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梯子
「梯子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
梯子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
平六が、太刀《たち》の鞘《さや》を、柱にぶっつけながら、立ち上がった。楼上に通う
梯子《はしご》は、二十いくつの段をきざんで、その柱の向こうにかかっている。――一....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
》も使わずに飛ぶことだった。或時は回向院《えこういん》の大銀杏《おおいちょう》へ
梯子《はしご》もかけずに登ることだった。或時は又彼等の一人と殴り合いの喧嘩《けん....
「河童」より 著者:芥川竜之介
童はこう言いながら、さっきの綱を指さしました。今まで僕の綱と思っていたのは実は綱
梯子《つなばしご》にできていたのです。
「ではあすこから出さしてもらいます。」
....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
は、その夜の三時過ぎだった。彼女は二階の寝間《ねま》を後《うしろ》に、そっと暗い
梯子《はしご》を下りると、手さぐりに鏡台の前へ行った。そうしてその抽斗《ひきだし....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
……
* * * * *
僕はやはり同じ日の晩、或|妓館《ぎかん》の
梯子段《はしごだん》を譚と一しょに上って行った。
僕等の通った二階の部屋は中央....
「葱」より 著者:芥川竜之介
ひるがえ》して、鬱金木綿《うこんもめん》の蔽《おお》いをかけた鏡が二つ並んでいる
梯子段《はしごだん》の下まで吹き落してしまった。下にいる女髪結は、頻々《ひんぴん....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
が、幸い父の賢造《けんぞう》は、夏外套《なつがいとう》をひっかけたまま、うす暗い
梯子《はしご》の上り口へ胸まで覗《のぞ》かせているだけだった。
「どうもお律《り....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
そうと思ったからである。すると、幸い門の上の楼へ上る、幅の広い、これも丹を塗った
梯子《はしご》が眼についた。上なら、人がいたにしても、どうせ死人ばかりである。下....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
れない。
君が横浜を出帆した日、銅鑼《どら》が鳴って、見送りに来た連中が、皆、
梯子《はしご》伝いに、船から波止場《はとば》へおりると、僕はジョオンズといっしょ....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
本風の食事をした。食事は確か十時頃に終った。僕はその新聞記者を残したまま、狭い段
梯子《だんばしご》を下って行った。すると誰か後ろから「ああさん」と僕に声をかけた....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ない。何《なん》だか二人の支那人と喧嘩したようにも覚えている。また嶮《けわ》しい
梯子段《はしごだん》を転《ころ》げ落ちたようにも覚えている。が、どちらも確かでは....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
いと云っていました。そのせいかお島婆さんは、毎晩二時の時計が鳴ると、裏の縁側から
梯子《はしご》伝いに、竪川の中へ身を浸して、ずっぷり頭まで水に隠したまま、三十分....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
一 埃 僕の記憶の始まりは数え年の四つの時のことである。と言ってもたいした記憶ではない。ただ広さんという大工が一人、
梯子か何かに乗ったまま玄能で天井を叩いている、天井からはぱっぱっと埃が出る――そ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
のラディエエタア・キャップにも翼のついていたことを思い出した。…… そこへ誰か
梯子段を慌しく昇って来たかと思うと、すぐに又ばたばた駈け下りて行った。僕はその誰....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
那人の女の子の泣き声です。日本人はその声を聞くが早いか、一股に二三段ずつ、薄暗い
梯子を駈け上りました。そうして婆さんの部屋の戸を力一ぱい叩き出しました。 戸は....