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「梵音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

梵音の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
、昔のはやり歌をうたって見たりした。しかも「妙音観世音《みょうおんかんぜおん》、梵音海潮音《ぼんおんかいちょうおん》、勝彼世間音《しょうひせけんおん》」を唱えた....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
あった。やがて日が暮れかかると、僧はまた言った。 「お聴きなされ、衆僧がこれから梵音を唱え始めます」 石は池のほとりに立って耳をかたむけていると、たちまちに水....
悟浄出世」より 著者:中島敦
頭《こうべ》を垂れた悟浄の耳に、美しい女性的な声――妙音《みょうおん》というか、梵音《ぼんおん》というか、海潮音《かいちょうおん》というか、――が響いてきた。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りは、認識がまだそこまで至っていないと見た方がよろしい。小湊《こみなと》の浜で、梵音《ぼんおん》海潮音《かいちょうおん》を聞かせられたことはあるけれども、彼には....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、曾《かつ》て聞いた片海《かたうみ》、市河、小湊の海の響を思い出しているのです。梵音海潮音《ぼんおんかいちょうおん》はかの世間の声に勝《まさ》れりという響が、耳....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
て来たのが、睫毛まで焼きちぢらした己の眼をくらませると思うのかい。このおおどかな梵音が山中をゆさぶって、木の根に巣をくう虫けらまで仏願に喰い入るほども鳴りひびい....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、私より気の毒な方へ。ただそれだけです。 私は合掌して口誦みます。 妙音観世音梵音海潮音 観音の有難さ、それは潮の音のごとく大きくひたひたと押し寄せる。 勝被....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と告げわたっている。けれど、こうすさまじく生き過ぎている人間の耳には、色即是空の梵音も、馬の耳に念仏というものである。男女を埋めている枯れ萱の穂は、大きな波をゆ....