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棒切れ
「棒切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棒切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
それが盗賊でない、犬のいたずらであると知ったときに、そこらの家から二、三人の男が
棒切れを持って出て来た。彼らは千枝太郎に加勢して、むらがる犬どもを叩きのけてくれ....
「春の鳥」より 著者:国木田独歩
んの兵児帯をしめている様子は百姓の子でも町家の者でもなさそうでした。 手に太い
棒切れを持ってあたりをきょろきょろ見回していましたが、フト石垣の上を見上げた時、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
そこはやはりプスプス燃えている焼け跡の中だから、踏みこんでいっては取れない。何か
棒切れはないかというので、二人が一寸場を外して探しにいった後で、どうなったのか見....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
ら、それは化物である。 しかし兎に角、問題は二尺の距離だった。もし二尺ばかりの
棒切れが手許にありさえすれば、こいつを手に握って腕金の錘りにまで届かせることがで....
「地球盗難」より 著者:海野十三
のかしら……」 あたりを見廻してみたが、この辺であることに違いなかった。武夫が
棒切れで叩き破ったらしい葛の葉が点々として、白い葉裏を見せてそこらに散っているの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
来る。その頃は所々に屋敷あとの広い草原などがあったから、そこで石を投げ合ったり、
棒切れで叩き合ったりする。中には自分の家から親父の脇差を持ち出して来るような乱暴....
「尹主事」より 著者:金史良
圖を檢分した。彼はこの荒蕪地一帶を自分の所領と定めている。汗をはたはた流しながら
棒切れで境線を引き廻る。 そこで一先ず小屋に歸り、地下足袋をはきよれよれのゲー....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
インに並行して、赤や紫のその花びらが点々と散っていた。私は突然泣き出した。先生は
棒切れで、金網の戸の内側の鍵をたやすくあけて、私をひっぱり出した。 今までのす....
「砂糖泥棒」より 著者:黒島伝治
、焼いたりしていると叱りつけた。そういう性質からして、工場へ一歩足を踏みこむと、
棒切れ一ツにでも眼を見はっていた。細かく眼が働く特別な才能でも持っているらしい。....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
してそれがうずくまっている、平八の背中を明るくした。と、その石壁の明るみへ、短い
棒切れが浮き出した。つづいて人の手が現われた。それから半身が現われた。種子ヶ島を....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
と共に人の嗅覚を麻痺させる。小箱のような陋屋からは赤児の泣き声や女の喚き声や竹の
棒切れで撲る音などが、巷に群れている野良犬の声と、殺気立った合唱を作っている。 ....
「牛」より 著者:岡本綺堂
飛んで行ったら、どんな騒ぎになるか知れない。両側の町家から大勢が出て来て、石でも
棒切れでも何でも構わない、手あたり次第に叩きつける。札差の店からも大勢が出て来て....
「虻のおれい」より 著者:香倶土三鳥
虻が可哀そうになりました。どうかして助けてやりたいと思って、そこいらに落ちていた
棒切れを拾って上から突込んで上の方へ追いやろうとしましたが、虻はどうしても上の方....
「すいれんは咲いたが」より 著者:小川未明
たくなりました。 「どうしたの、君が釣ってきたのかい。」とたずねました。木田は、
棒切れで砂の上に字をかきながら、 「ああ、お父さんと川へいって釣ってきたんだ。こ....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
った。美少年は、ぼくらの姿を見ると、「トシちゃん、又来る」といって、右肩を下げ、
棒切れの様な貧弱なステッキをひきずりながら出て行った。ソーダ水を註文すると彼女は....