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「棒立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棒立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
まるで雷《らい》に撃《う》たれたように、口を半ば開《あ》けたまま、ストオヴの側へ棒立ちになって、一二分の間《あいだ》はただ、その慓悍《ひょうかん》な生徒の顔ばか....
婦系図」より 著者:泉鏡花
は、」 と少し打傾いて、姉夫人が、物優しく声をかける。 「ひゃあ、」と打魂消て棒立ちになったは、出入りをする、貴婦人の、自分にこんな様子をしてくれるのは、つい....
朱日記」より 著者:泉鏡花
って、 「火事だ! 同役、三右衛門、火事だ。」と喚く。 「何だ。」 と、雑所も棒立ちになったが、物狂わしげに、 「なぜ、投げる。なぜ茱萸を投附ける。宮浜。」 ....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
たサイレンの音、――人々は回転の停った活動写真のように踊りの手をやめて、其の場に棒立ちになった。向うの大通りから、ヘッドライトをらんらんと輝かして自動車隊が闖入....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
如、絹を裂くような悲鳴一声! 「呀ッ、――」 それを聞くと青年紳士は、その場に棒立ちになった。悲鳴の起った場所は、いままで口笛のしていたところと同じ方向だった....
海底大陸」より 著者:海野十三
「ええッ」 「本船の機関が爆破するかもしれんとは、どういうわけだッ」 事務長は棒立ちになってさけんだ。 「それは、こういうわけなんだ」 と、シリンが半泣きの....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
長とカンノ博士もびっくりぎょうてんした。カコ技師はそのことを誰より先に気がついて棒立ちになっていたわけだ。 「これは一体どうしたというのでしょう」 「困ったね。....
怪星ガン」より 著者:海野十三
ついている目盛盤をうごかした。すると事務長は、電気にふれたように、ぴくッとなり、棒立ちになってとびあがった。かれの頭髪は箒のように一本一本逆立ち、かれの目は、皿....
火星兵団」より 著者:海野十三
。 さて、先生の目には、どんなものがうつったか。 「あれっ」 先生は、そこに棒立ちになったまま、目玉をぐるぐるっとまわした。思いもかけないこの部屋の有様であ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
ろうのに……。 「ハテナ……」 と、そのとき何に駭いたのか、八十助は舗道の上に棒立ちとなった。彼はつい今まで忘れていた重大なことを思い出したのだった。 「ハテ....
星女郎」より 著者:泉鏡花
見るのが、心苦しくなって来たので、顔を引込まして、門へ身体を横づけに、腕組をして棒立ち――で、熟と目を睡って俯向いていました。 この体が、稀代に人間というもの....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
を、と見る内に、幼児は見えなくなった。 まだ浮ばぬ。 太鼓が止んで、浜なるは棒立ちになった。 砂山を慌しく一文字に駈けて、こなたが近いた時、どうしたのか、....
註文帳」より 著者:泉鏡花
、三|疋か、燕か、兎か、見分けもつかず、波の揺れるようにたちまち見えなくなった。棒立ちになって、捨吉|茫然と見送りながら、 「何だ、一文も無え癖に、」 「汝じゃ....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
すったのが、まあ! ないんでしょう。目のせいか、と擦りながら、ドキドキする胸で、棒立ちに、仕事場を出て見なすったそうですがね、……盗まれたに違いない。 ――そ....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
りをふるわせてひびいた。 フィアレンサイドが、びくっと飛びあがり、ホール夫人は棒立ちになった。 村人は、くものこをちらすように、後もみずにちっていった。 ....