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棒鱈
「棒鱈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棒鱈の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
裏通りを歩いたり、駄菓子屋の前で立ち留《ど》まったり、乾物屋の乾蝦《ほしえび》や
棒鱈《ぼうだら》や湯葉《ゆば》を眺めたり、とうとう私は二条の方へ寺町を下《さが》....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
本であるけばそれだけはかも行く訳だのに、いつでも二本ですまして、残る二本は到来の
棒鱈《ぼうだら》のように手持無沙汰にぶら下げているのは馬鹿馬鹿しい。これで見ると....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
稀に鼬に吸われた鶏でも食えば骨までたゝいて食い、土の物の外は大抵|塩鮭、めざし、
棒鱈にのみ海の恩恵を知る農家も、斯様な時には炙れば青い焔立つ脂ぎった生魚を買って....
「朝の風」より 著者:宮本百合子
電が開通した。 電車がとおるようになって間もなくの或る日であった。 サヨは、
棒鱈と豆もやしの桶をならべた暗くしめっぽい店だの古綿打直しやの店だのの並んだ横丁....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
。そして彼は次第に食慾を減じ、女人をして惚々させないではいない有名なる巨躯紅肉が
棒鱈のように乾枯らびて行くように感ぜられるに至ったので、遂に彼は一大決心をして、....
「今日の耳目」より 著者:宮本百合子
高札 いつも通る横丁があって、そこには朝鮮の人たちの食べる豆もやし
棒鱈類をあきなう店だの、軒の上に猿がつながれている乾物屋だの、近頃になって何処か....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、売僧の魚説法を憤って、 「――おのれ何としょうぞ――」 「――打たば打たしめ、
棒鱈か太刀魚でおうちあれ――」 「――おのれ、また打擲をせいでおこうか――」 「....
「多神教」より 著者:泉鏡花
長き老猿の面を被り、水干烏帽子、事触に似たる態にて――大根、牛蒡、太人参、大蕪。
棒鱈乾鮭堆く、片荷に酒樽を積みたる蘆毛の駒の、紫なる古手綱を曳いて出づ)きゃッ、....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
の寒風に吹かせ、前後不覚にわなわなと震えながら、伊太利《イタリー》乾物屋の店先の
棒鱈のように寝そべっているのは、当時|欧羅巴《ヨーロッパ》を風靡《ふうび》してい....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
だぜ。停年でやめた大学教授でさ、いいかい、カサカサの乾パンでさ、おまけに学のある
棒鱈ときている。……しかも痛風やみで、リョーマチで、頭痛もちで、その上やっかみと....
「四つの都」より 著者:織田作之助
三「一生懸命働いとるに決っとる、新坊も今は少年工だ」 標札屋「お父つぁんのお前は
棒鱈だが、息子はお国の役に立っとるわけや」 鶴三「おれが
棒鱈なら、お前は鯡だ、ど....