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「棕櫚縄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

棕櫚縄の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:徳田秋声
だ。」 お銀は急いで子守を呼びに行った。子守りの家では、亭主に死なれた母親が、棕櫚縄などを綯って、多勢の子供を育てていた。お銀はその家の惨めな様子をよく知って....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
をぬいてしまい、果物好きだけに何よりも先ず水蜜桃を植えた。通りかゝりの百姓衆に、棕櫚縄を蠅頭に結ぶ事を教わって、畑中に透籬を結い、風よけの生籬にす可く之に傍うて....
旅愁」より 著者:横光利一
だったが、よく意味の分らぬままにも暫くそれを呟きつつ彼は俯向いて歩いた。 まだ棕櫚縄の結び目の新しい千鶴子の家の建仁寺垣が見えて来たとき、塩野は、「じゃ、ここ....
」より 著者:徳田秋声
いつも元気すね。」 「なに、もう駄目でさ。今日もこの歯が一本ぐらぐらになってね、棕櫚縄を咬えるもんだから、稼業だから為方がないようなもんだけれど……。」 爺さ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
じけ》をふるっている。 すると……。 紺の香のにおう法被《はっぴ》の上から、棕櫚縄《しゅろなわ》を横ちょにむすんで、それへ鋏をさした植木屋の兄《あに》イ――....
絶縁体」より 著者:豊島与志雄
竹垣と違って、こんどは、低い四つ目垣だった。所々に木の棒を打ち込み、それに丸竹を棕櫚縄で結びつけたもので、それが実に目の荒い四つ目の、高さ二尺ばかりに過ぎなかっ....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
縄梯子を伝って下りようとした。その縄梯子が見当らない。ほんの先刻まで掛かっていた棕櫚縄の梯子が見当らない。私は呆然と突っ立ったまま考えることさえ出来なかった。 ....