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棟瓦
「棟瓦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
棟瓦の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
る。 爺様の乗った前の車が、はたと留った。 あれ聞け……寂寞とした一条廓の、
棟瓦にも響き転げる、轍の音も留まるばかり、灘の浪を川に寄せて、千里の果も同じ水に....
「静岡地震被害見学記」より 著者:寺田寅彦
間や傍観者を笑わせたりはらはらさせるものである。 富士駅附近へ来ると極めて稀に
棟瓦の一、二枚くらいこぼれ落ちているのが見えた。興津まで来ても大体その程度らしい....
「博物誌」より 著者:岸田国士
建てられそうもない天主堂の上で暮している。それはちょっと納屋みたいな建物で、その
棟瓦の線はまず牛の背中と同じくらいまっすぐである。 ところで、今日、その天主堂....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
。
益満は、ぴったりと、屋根の上へ、腹を当て、這い延びて、短銃《たんづっ》を、
棟瓦の上から、小藤次の家の方へ、覘《ねら》いをつけていた。片眼を閉じて、筒先を上....
「魔都」より 著者:久生十蘭
。そっと爪先をおろすと、そこがちょうど屋根の棟なのである。
真名古は懐中電灯で
棟瓦の上を照らしながら、這うようにして進んでゆく。格別目にあたるようなものはない....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
は通りへ出て一番大乗寺に近く、それこそ傾きかかった三軒長屋の端なのでした。崩れた
棟瓦の間から春になると蒲公英が咲きました。どうせ持主も改築するつもりで、うっちゃ....