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森然
「森然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
森然の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
館の北側には武田逍遥軒が控えていた。 曲輪を抜け湟を飛び越え、若い一人の侍が、
森然と更けた町々を流星のように駈け抜けた時、折悪く道で邂逅った人はどんなに驚いた....
「高島異誌」より 著者:国枝史郎
しやれ!」嗄れた笑声を響かせたが「女の切髪気を付けよ、気を付けよ!」 その後は
森然と物寂しく、何んの音も聞えない。ただ月明に梅花ばかりが白く匂っているばかりで....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
ピシッ! 鯉が飛んだのである。 パタパタ! 水禽が羽搏いたのである。 後は
森然と風さえない。 だが殺気は漲っている。 「妙な運命にぶつかったものさ」旗二....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
拙者も参会したものを、月照上人召し捕るなどと申して、この狼藉は何事じゃ」 内外
森然としてしまいました。 おおおおそれにしても何んということなのでしょう、ご上....
「日置流系図」より 著者:国枝史郎
ものはない。 トントントントンとそう云っている間も戸外では続けざまに戸を叩く、
森然森然と更けた七月の夜の所は本所錦糸堀でひたひたと並んでいる武家屋敷から少し離....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
。「気味が悪いなあ、締めろ締めろ!」 ギ――と再び門の締まる陰気な音が響いたが
森然とその後は静かになった。 で、紋太郎はそろそろと隠れ場所から現われたが、足....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
一 「御用! 御用! 神妙にしろ!」 捕り方衆の叫び声があっちからもこっちからも聞こえて来る。
森然と更けた霊岸島の万崎河岸の向こう側で提灯の火が飛び乱れる。 「抜いたぞ! 抜....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
笛が止むとあやなす声が、こう密々と聞こえてきた。フッと蝋燭の火が消えた。しばらく
森然と静かであった。と、暗い舞台の上へ蒼白い月光が流れ込んで来た。誰か表戸をあけ....
「赤格子九郎右衛門の娘」より 著者:国枝史郎
七も霜の大地へころがった。 削竹が咽喉に立っている。 大阪界隈怪盗横行 後は
森然と静かである。 さっきから今にも泣き出しそうにどんよりの一|瞬間で、止んだ....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
た? それは何だ?」 「磔柱だ。磔柱だよ」 賊共はにわかにざわめいた。それから
森然と静まった。 賊の頭目は眼を見張ったが、やがてポンと手を拍った。 「ははあ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
た。と四番目の人物は、バッタリ大地へ膝をついた。この間わずかに一分であった。後は
森然と静かであった。と、みすぼらしい侍は、膝を起こして立ち上がったが、それからポ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、忽ち、断末魔の声が起こり、バーッと、血飛沫が、紙帳へかかる音がしたが、やがて、
森然と静まってしまった。角右衛門は、持っていた燭台を抛り出すと、真っ先に逃げ出し....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
」 慇懃な声が消えると一緒に、闇中にほのかに浮いていた男の姿も全く消え、車内も
森然と静まった。 空には蒼白い月光が真昼のように照っている。月光を受けて銀のよ....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
片足を斬り落とされまして厶りまする」 「なに乞食に金田一氏が……」 若侍たちは
森然としてしまった。 それというのは金田一新助は、尾張藩の中でもかなりの使い手....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
かしずき奉る心、しばらくも忘れたもうべからず」
ここで老人の声が絶えて、四辺が
森然と静かになった。が、すぐに老人の声がした。
「これこそは臣道の大綱でござって....