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「植木鉢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

植木鉢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
暮の町には餅搗《もちつ》きの音が起こっていた。花屋の前には梅と福寿草をあしらった植木鉢が並んでいた。そんな風俗画は、町がどこをどう帰っていいかわからなくなりはじ....
美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
つて験めて見せる。 『さて只今より、これなるしん粉をもちまして、正面そなへつけの植木鉢に花を咲かせるので御座います。もし造上げましたる鉢の花が、お客様お抜取りの....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
してしまったのであろう。 草花を作る人のためには大いに肩を持ってやってもよい。植木鉢をいじる人は花鋏の人よりもはるかに人情がある。彼が水や日光について心配した....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
一挺日本の木鋏を持ち出した。 「夏になったらこれで、じょきんじょきんやるんだね。植木鉢を買って来て」 「まあ、どこからそんなものを。お見せよ」 「友達のフランス....
わが町」より 著者:織田作之助
の掛った家の二階では、五六人の按摩がお互い揉み合いしていた。その小屋根には朝顔の植木鉢がちょぼんと置かれていて、屋根続きに歯科医院のみすぼらしい看板があった。看....
」より 著者:池谷信三郎
まった。彼女は顰め面をして鼻を鳴らし始めた。明るい陽差しが、軒に出された風露草の植木鉢に、恵み多い光りの箭をそそいでいた。 取調べは二月ほどかかった。スプリン....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
しく、あるものは多くの古風な彫刻を施した壺のうちに置かれ、また、あるものは普通の植木鉢のうちに植えられていた。それらのあるものは蛇のように地上を這いまわり、ある....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
と、爺がな、クックックッといい出した。 恐しい鼻呼吸じゃあないか、荷車に積んだ植木鉢の中に突込むようにして桔梗を嗅ぐのよ。 風流気はないが秋草が可哀そうで見....
」より 著者:織田作之助
った。ひらいた窓格子から貧しい内部が覗けるような薄汚い家が並び、小屋根には小さな植木鉢の台がつくってあったりして、なにか安心のできる風情が感じられた。魚の焼く匂....
奇巌城」より 著者:菊池寛
見たに違いない、何か怪しいと思ったから銃をかついだのに違いない。 ボートルレは植木鉢の蔭に身を屈めて隠れたが胸が、どきどきとはげしく波打っている。夜番の男は何....
神経」より 著者:織田作之助
いや色気などといういい言葉が勿体ないくらいだ。政府の大官はいかなる場合にも屏風と植木鉢を聯想させるような声を出す。座談会の出席者は、討論の相手とマイクとどちらの....
画室談義」より 著者:上村松園
らしてあり、それにかたちばかりの欄干も取りつけられてあります。そこにはさまざまな植木鉢など並べて置くのに都合がよろしい。 画室の四囲には掘り池を廻らし、金魚だ....
山吹」より 著者:泉鏡花
―その晩の、夜はかえって目につきますから、昨日家出をしたんです。先生……金魚か、植木鉢の草になって、おとなしくしていれば、実家でも、親類でも、身一つは引取ってく....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
てしまう。隣の縄屑拾いのおばさんは、朝顔の花が煤煙のために黒く咲くと言うて笑い、植木鉢の作りものが片っぱしから枯れてゆくと言うてこぼしている。 植木が枯れてゆ....
おじいさんが捨てたら」より 著者:小川未明
い、はい。」といって、おじいさんは、一つ一つ、その品物に目を通しました。 「この植木鉢も、持っていってくださいませんか。」と、おかみさんらしい人がいいました。 ....