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「植物性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

植物性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
華鬘萎み羽衣穢れ――とかいう、天人衰焉の様を唱うようになれり。かくなりては、一路植物性の存在に退化するのみにして、治療の途はあれども、余には既に幹枝の必要なきこ....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
じです。その点から見てもはなはだ重宝《ちょうほう》です。それにこの油の特色は他の植物性のもののように不消化でないです。動物性と同じくらいに消化《こな》れますと云....
黒髪」より 著者:近松秋江
らして、そちらの小庭に近い端の方へ行ってまたごろりと横になり、わけもなく懐かしい植物性の香気の立ち薫っているような夜気の流通を呼吸しながら、女の約束していった二....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
している、遠くの空に、加賀の白山は、いつもの冷たい藍色に冴えて、雪の縞が、むしろ植物性の白い色をおもわせる。 白山から南に、飛騨の山脈が、雪の中に溶けている、....
日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
衣服についてもいろいろなことが考えられる。菜食が発達したとほぼ同様な理由から植物性の麻布綿布が主要な資料になり、毛皮や毛織りが輸入品になった。綿布麻布が日本....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
熱心に見つめる。そうしていう。この線とこの線の間は何ミリメートルある、この紙質は植物性のもので耐久力は何年、この墨を分析してみると成分はこれこれ……というような....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
畜農業を是非する訳ではないが、新百姓であり、かたがた動物性の方は成るべく避けて、植物性農業を主とする方針であった。 そこでこの辺では副業というよりは寧ろ主業と....
丹下左膳」より 著者:林不忘
処せんには、あに怖れんや。ただ金力なきをいかんせん」 一風宗匠は依然として、植物性の静かな微笑をふくみ、 「風には木立ち、雨には傘、物それぞれに防ぎの手あ....
ひと吾を公式主義者と呼ぶ」より 著者:戸坂潤
ない、何にかけても美味くなるという事件そのものが、システムであろう。或いは一切の植物性食物に含まれている含有味の素が、システムかも知れない、して見るとフランスの....
まかないの棒」より 著者:黒島伝治
、埃や、醤油粕の腐れなどを積上げた片隅でボンヤリ時間を過した。そのあたりからは、植物性の物質が腐敗して発する吐き出したいような臭気が立ち上ってきた。最初、彼は、....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
この小さなつる草の実、われわれが、草ブドウと名をつけた実は、島ワサビのほかに、植物性食物のない十六人にとって、じつにたいせつな食糧となった。そこで、本部島にこ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
かす巨大なる野生|仙人掌《さぼてん》をもって、全身隙間なく鎧《よろ》いたる一台の植物性大|戦車《タンク》。アレアレッと驚き見まもる暇もなく、砲塔をゆるやかに旋回....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を描いて居る。それは黒く入墨をして居るものもあれば、入墨するだけの余裕のない者は植物性の黒い物で描いて居る。もっともラブチェ種族のこの頃ダージリンに住んで居る者....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
たものの職業とはあまりに多くの懸隔があった。ことに同じ染物屋でも、当初から純粋に植物性染料を用いた紅染屋の如きは、決して賤しいものとはされていなかったのである。....
日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
屡々行われた。サマルカンドの如きはそうした東西文化の媒介処であった。例えば支那の植物性繊維紙はこうしてヨーロッパに這入り、羊皮紙を駆逐した。活版も亦、古く支那か....