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検束
「検束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
検束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
。 「その時は?」 「かい虫をわかしとりましたんじゃ」 ――一つには峻自身の不
検束《ふしだら》な生活から、彼は一度肺を悪くしたことがあった。その時義兄は北|牟....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
ぶ》しいほど照りかえっていた。須山は自分のまわりに仲間を配置して、いざという時の
検束の妨害をさせる準備をしておいた。 一時に丁度十五分前、彼はいきなり大声をあ....
「俘囚」より 著者:海野十三
思い出すべきものを思い出して、ゾッとしたのだ。 「しかし、その奇妙な臓器紛失が、
検束《けんそく》されていた僕たち社員を救ってくれることになった、僕たちが手を下し....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
結果、これは大月の名声も大いに与って力あった事は否めないのだが、ひとまず容疑者の
検束は延期になり、やがて一行は岳陰荘へ引挙げて来た。 そしてその翌日、東京へ解....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
に靴音だった。――何か騒がしい事が、向う端で急に起ったらしかった。 形式だけの
検束をうけて、留置場の中で特別の待遇をうけて居た鈴木が、この明け方、首を縊ってい....
「獄中記」より 著者:大杉栄
と警察まで。」 ということで、その足で板橋署へ連れて行かれて、十日ばかりの間「
検束」という名義で警察に泊め置かれた。 しかしそれも、何も僕が大阪で悪いことを....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
けの姿勢のまま悠々と立ち去ったということだ。 だがしかしこれを警察官も一つ一つ
検束せず、女も本心から怒らないところに夜店のなごやかな雰囲気を見ることが出来るか....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
の顔を見るとのぼせ上がってしまって、OやYのいうことには耳も貸さずに、のっけから
検束するなどとわめき立てました。私はその間にそっと出て、近所で署長の家を訪ねた。....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
働運動をしている人でありますが、はじめ奥さんが子どもをおんぶしてきて、私の夫は今
検束されているというのであります。それで困っているからというので、私がそれにお金....
「鍬と鎌の五月」より 著者:黒島伝治
そッ、なにも出来なくなっちゃったな、と西山は思った。彼は、一寸なにかやると、すぐ
検束騒ぎをするここの警察をよく知っていた。 三人は、藤井先生の家へ行くことが出....
「源之助の一生」より 著者:岡本綺堂
師に欺かれたためであるというが、所詮は借金のためであった。人気盛りの若い俳優の不
検束な生活が、彼を借金の淵へ追い沈めたらしい。それを名残りに源之助の黄金時代は去....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
われておいでになって、
特色のある詩をお作になりました。
しかしあなたは断えず
検束のない網の中へ
お駆け込みなすって、
民俗や国法に
無謀にも御牴触なさいまし....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、警察の態度に憤慨した。ある者は警察は資本家の犬だと罵った。そう罵ったものはみな
検束せられた。 そして菊子もまた
検束せられることになった。 これを見た聴衆は....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
察に来てくれ、と言って来た。そこでわれわれは裏山に逃げたが、結局警察に捕って保護
検束されてしまった。すると、百人近い坑夫が揃って警察に押しかけて来て、君たちの生....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
警察の特高であった。仕方なく早稲田警察に行くと『田舎へ帰っておとなしくしてなきゃ
検束する』と言い渡された。こうして私はしょんぼり故郷三宅島へ帰った。三宅島は昔流....