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椰子
「椰子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
椰子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
――
(彼は古い電話帳をひろげ、こういう詩をおお声に読みはじめた。)
――
椰子《やし》の花や竹の中に
仏陀《ぶっだ》はとうに眠っている。
路《み....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
の孤島だった。が、世間の思っているように岩山ばかりだった訣《わけ》ではない。実は
椰子《やし》の聳《そび》えたり、極楽鳥《ごくらくちょう》の囀《さえず》ったりする....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ノアルやセザンヌの複製などもかかっている。ピアノも黒い胴を光らせている。鉢植えの
椰子《やし》も葉を垂らしている。――と云うと多少気が利《き》いていますが、家賃は....
「或る女」より 著者:有島武郎
しい桟橋の雑鬧《ざっとう》の間にさびしく横たわっている。
水夫が、輪切りにした
椰子《やし》の実でよごれた甲板《かんぱん》を単調にごし/\ごし/\とこする音が、....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
あっちへ行きましょう) サチ子の目が、そういった。 僕たちは、肩をならべて、
椰子の大樹がそびえる向こうの丘の方へ歩いていった。夕陽は西の水平線に落ちようとし....
「俘囚」より 著者:海野十三
れている。何か、入っているのだろうか。入っているとすると、猫か、小犬か、それとも
椰子蟹《やしがに》ででもあろうか。いよいよこの家は、化物屋敷になったと思い、カタ....
「河明り」より 著者:岡本かの子
な異境の感じのする世界があろうとは思いかけなかった。 四畳半の茶室だが、床柱は
椰子材の磨いたものだし、床縁や炉縁も熱帯材らしいものが使ってあった。 匍い上り....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
しい復讐がある。土人の部落の中にだけで秘密にしてある、ある毒矢で暗うちを食わす。
椰子やゴムの深い林の中から、不意に、鉄砲だまが自動車の中に飛んで来る。虎だの犀だ....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
いへんだ」 「ああ、気味がわるい。なんだって植物がうごきまわるんでしょう。あれは
椰子《やし》の木だわ。あッ、マングローブの木も交《まじ》っているわ。あの青い蛇の....
「恐竜島」より 著者:海野十三
に西の海に沈み、空は美しく夕焼している。その頃になって、島の上に生《は》えている
椰子《やし》の木が、はっきりと見えるようになった。 「明るいうちに、島へつきたい....
「怪塔王」より 著者:海野十三
をながめていた兵曹長の眼底に、変なかたちをした木がうつりました。 「ああ、あれは
椰子の木に見えるが、こんなところにどうして
椰子の木が生えているのかなあ」 兵曹....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
のように、家をつくって住んでいる奇妙な島である。酋長ミンチの住居は、大きな九本の
椰子の木にささえられた大きな家で、遠くからみると、納屋に九本の足が生えているよう....
「豆潜水艇の行方」より 著者:海野十三
すきまからここをのぞいて、これは島だといいました。なるほど、下は砂地です。そして
椰子のような植物が生えております。小さいけれども、岩のようなものも見えます。海中....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
その場の滞を流すように、 「今日は僕も休日さ。」 といってちょっとポケットから
椰子の実を覗かして向うへ行った。多分モンマルトルの祭の射的ででも当てたのだろう。....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
に抱くと、獅子頭はばくりと仰向けに地を払って、草鞋は高く反った。鶏の羽の飾には、
椰子の葉を吹く風が渡る。 「貴下、」 と落着いて見返って、 「私の児かも知れな....