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楔
「楔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
が、耳の遠いということが、眼の悪いのを苦にしている彼にとって、幾分の同情をつなぐ
楔子《くさび》になったのであろう。せっかくだが御依頼通りになりかねるという彼の返....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
やら申すのも、やはり無常を忘れさせる新しい方便なのでございましょう。」と、御話の
楔《くさび》を入れますと、もう一人の女房も、
「そう申せばあの教を説いて歩きます....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
消えてしまう。
その後で角顋は、朝日の灰を落しながら、新聞の一枚をとりあげた。
楔形文字《せっけいもじ》のような、妙な字が行列した、所謂《いわゆる》ゾイリア日報....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
る前足の蹠《あしのうら》がうす赤い。――この鼠が、これから雑劇の所謂《いわゆる》
楔子《せっし》を演じようと云う役者なのである。
すると、見物の方では、子供だと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
人よ。そして私達が直下に愛と相対し得べき一路を開け。 私は又詩にも勝った表現の
楔子を音楽に於て見出そうとするものだ。かの単独にしては何等の意味もなき音声、それ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルレンの水底にあったことになっている。一八七〇年代のころにこれと全く同様な内容を
楔形文字で記した物語が発見され、その中に英雄シト・ナピスティム(Sit-napi....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
並に結婚を督促した。 「僕の家内は金魚ですよ」 酔いに紛れて、そういう人事には
楔をうっておくつもりで、復一はこういうと、養母は 「まさか――おまえさんはいった....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ていて、その位置は、甲状軟骨から胸骨にかけての、いわゆる前頸部であったが、創形が
楔形をしているので、鎧通し様のものと推断された。また、深さを連ねた形状が、※形を....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
って、すぐには了解できることではなかった。 「まあ、ゆっくりお話しましょう。飛行
楔の中で……」 と、帆村は山岸中尉と山岸少年をうながして、飛行機の中にはいった....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
、三日前、激しく雨水の落とした後の、汀が崩れて、草の根のまだ白い泥土の欠目から、
楔の弛んだ、洪水の引いた天井裏見るような、横木と橋板との暗い中を見たが何もおらぬ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
層の野心があるのだろう。英ソの緩衝地帯である「大地軸孔」一帯を精査して、ナチスの
楔を南新疆にうちこもうというのではないか。また一方、この探検が成功すれば利益を得....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
心に細い朱線を引いて、蜘蛛糸のような裂罅が縫合部を蜒り走っているが、何れも左右の
楔状骨に迄達している。そして、流血が腫起した周囲を塗って火山型に盛り上り凝結して....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
トンがこの土地へ渡って来てから一種の関係が繋がったんです。この二人を継ぎ合わせる
楔子はかの小鉄で、小鉄はダルトンの娘であるという事実が判った時にはわれわれも意外....
「迷信解」より 著者:井上円了
のごとくにして、先の方|尖り後ろの方広く、猛獣の爪のごとくに見ゆ。これは雷斧、雷
楔のたぐいにて、石器時代の遺物であるということじゃ。また、俗に天狗火、天狗|礫と....
「古事記」より 著者:太安万侶
これをまた大勢の神が見て欺《あざむ》いて山に連れて行つて、大きな樹を切り伏せて
楔子《くさび》を打つておいて、その中に大國主の命をはいらせて、
楔子《くさび》を打....