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「極々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

極々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
れてる思いがしている。こういう時には必ず他の強い勢力を感じやすい。おとよの念力が極々細微な径路を伝わって省作を動かすに至った事は理屈に合っている。 「おとよさん....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
と見つめて居る。「何してらっしゃるのですか。」と足音をひそめて私が近寄ると、氏は極々あたりまえの顔をして「炎天の地下層にですな、小人がうじゃうじゃ湧こうとしてる....
」より 著者:岡本かの子
子に向った。寒い、喰べもののまずい病院から引き取って世話をしたと言ったまででは、極々当りまえの世話人根性のようだけれど、その実、気違いの京子と暮す事は何という気....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
惜物が突然また再現したような喜悦に似た感情が、今度は今迄のすべての気持を反撥し、極々単純に、直ぐにも逢う約束をかの女にさせようとした。逸作も青年の手紙を一瞥して....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
く時に、若い人々の此態度を見るのである。けれども、此方面に於ける私の責任などは、極々軽微なものである。がら者がわるいので、茂吉のせいでは、ほんとうの処はないので....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
の想像を浮べ来りて是か彼れかと考え廻すに目科は追剥か盗坊か但しは又強盗か、何しろ極々の悪人には相違なし。 爾れど彼れ翌日は静かに余が室に入来り再び礼を繰返した....
無惨」より 著者:黒岩涙香
拠に成るから先ず気永くお聞なさい、斯様にズリ抜ると云う者は詰り髪の毛の持前です、極々度の強い顕微鏡で見ますと総て毛の類には細かな鱗が有ります、鱗が重なり重なッて....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
。 第二十二回 盆栽の蔭 盆栽室は中に様々の仕切などが有って、密話密談には極々都合の好い所だ、舞踏室で舞踏が進む丈益々此の室へ休息に来る人が多くなる、中に....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
のかも知れない。して見れば秀吉は宜いけれど、氏郷は巨額の年俸を与えられたとは云え極々短期の間に其年俸を受取れるか何様か分らぬ危険に遭遇すべき地に置かれたのだ。番....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
建てさせた、あの不審きわまりない建札が吸いよせた人出です。――あとからあとからと極々雑多色とりどりの人影がつづいて、ざッと二三百名でした。 着流しがある。七三....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
美しく化粧を致しました。只さえ人並勝れた美人、髪の出来たて、化粧のしたて、衣類も極々上品な物を選みましたので、いや綺麗の何の眼が覚るような美人であります。殊に貞....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
事がないと申すことでございます、左様な名人で多分な手間料を取りますが、衣類などは極々質素で、悪遊びをいたさず、正直な貧乏人を憐れんで救助するのを楽みにいたします....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に背負い、降蔵も鉄砲の玉のはいった葛籠を負わせられたが、まことに重荷で難渋した。極々の難所で、木の枝に取りついたり、岩の間をつたったりして、ようやく峠を越えるこ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。勘弁し給え」 聞いてみるとなるほどと頷かれる。してみればこの武士たるものは、極々上の達人でなければならない。こういう芸当は、覚え以上の腕がなければできない芸....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
酒を飲み出すと、興にのって、土肥庄次郎らがこういうことを口走りました。これは極々の秘密事項だから、断じて口外はならんが、拙者と五郎魔が、今晩、鈴木重役へ相談....