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極く
「極く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
極くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ることに不平を持たない。しかしそれは第三者と全然見ず知らずの間がらであるか、或は
極く疎遠の間がらであるか、どちらかであることを条件としている。
又
....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
り、石ころは又|馬鈴薯《じゃがいも》に変り、馬鈴薯は三度目に蝶に変り、蝶は最後に
極く小さい軍服姿のナポレオンに変ってしまう。ナポレオンは手の平のまん中に立ち、ち....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
みなり」といってお前を弁護したではないか。お前の神と称していたものは、畢竟するに
極く幽かな私の影に過ぎなかった。お前は私を出し抜いて宗教生活に奔っておきながら、....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルギーを消費して、逆の方向に行われなければならない。もっとも、この過程については
極く最近にやっとその端緒を知ったばかりであるからこれに関してまだ十分明確なことは....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
うのです。小僧が泣き、車力が泣き、車が泣くというので、三泣車といったので、車輪は
極く小くして、轅を両腋の辺に持って、押して行く車で、今でも田舎の呉服屋などで見受....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
れを愛している。 B 解らんな。 A 解らんかな。(間)しかしこれは言葉でいうと
極くつまらんことになる。 B 歌のような小さいものに全生命を託することが出来ない....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
短いから、なるべく長くしたい気分になり、最初は七十年とか言いましたけれども結局、
極く長く見て五十年内だろうと判断せざるを得なくなったのであります。 ところが第....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ったが、小児のうち覚えた、こんな店で売っている竹の皮、藁の草履などは一足もない。
極く雑なのでも裏つきで、鼻緒が流行のいちまつと洒落れている。いやどうも……柿の渋....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、小宮山はこの女何を言うのかしらと、かえって眉毛に唾を附けたのでありまする、女は
極く生真面目で、 「実はお客様、誠に申兼ねましたが、少々お願いがございますんです....
「転機」より 著者:伊藤野枝
はずっと離れて、飛び飛びになっています。Sの母親と、私の母親が姉妹で、あの家とは
極く近い親戚で――え、私ももとはやはり谷中の者です。Sも、どうもお百姓のくせに、....
「錦紗」より 著者:犬田卯
自称するまだ若い卜筮師は、「これは庭先か門口に落したんで、落してから五分以内に、
極く近所の始終出入りしている三十がらみの女の手に入っている」というのであった。お....
「最初の出品画」より 著者:上村松園
に四人の女性人物が描かれてあり、それぞれ春夏秋冬の一時季を表わしている、といった
極く簡単なもので、まず春には一ばん年端の若い娘を描き、梅と椿の花を生けている処。....
「縮図帖」より 著者:上村松園
らい。一冊ごとの枚数、厚さというものもべつに定めていないから大そう部厚いものから
極く薄っぺらなものまで雑多である。だからして格好もさまざまで、竪横いろいろの大き....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
での招宴にも、美しい娘さんに逢うことが出来た。夜はお化粧を濃くしていたが、ひるは
極くうす化粧であった。 さて揚州で一泊したその翌日、屋根のある船で運河を上った....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
とはとても覚つかないことであります。 我が国では昔から女が絵を習うということは
極く稀なことでありましたが、近頃は頓にその数を増しております。私は思いますに、こ....