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「極微〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

極微の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
分る、斯う思うと幾分か心の中も寛《ゆるや》かになり其のまま寝台へ上ったが、香気は極微弱では有るけれど余の神経へ最と妙なる影響を及ぼした。確かに此の香いは秀子が常....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
い。所でもし電車が開通していなかったとしたらどうか。 諸君よ。裁判と云うものは極微細な事から分れるものである。鳥渡した矛盾でも全判決を覆えす事が出来る。もし当....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
す。 十三 お柳の装は南部の藍の子持縞の袷に黒の唐繻子の帯に、極微塵の小紋縮緬の三紋の羽織を着て、水の滴るような鼈甲の櫛笄をさして居ります。年....
光と風と夢」より 著者:中島敦
青年に比べて、遥かに立派な態度と映ったが、彼の容貌は美しくはなかった。顔面構造の極微の差が齎《もたら》す何という甚だしい相違! 七月十日 今日は疲れて動けない....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
す」 「ポーデル博士。これより小さい世界はないのですか」 「ありませんね。これが極微《きょくび》の世界でございましょうね」 「もっと、いろいろの原子をのぞいてみ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
切な苦悩に陥った」のだった。確実な歩行で、一足も他にそれずに、「第一歩の自然界、極微なるものの大なる暗夜、生命の生まれ出てくるもっとも深い生物の深淵《しんえん》....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。彼カンブロンヌ、その最終にきたった一人、その世に知られざる戦士、その全戦闘中の極微なる一人は、そこに一つの虚構があるのを、破滅のうちに二重ににがにがしい虚構が....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
しんえん》中における原因の交響、創造の雪崩《なだれ》、だれがそれを知っていよう。極微な虫も有用である。小さなものも大であり、大なるものも小である。いっさいのもの....
歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
一くらいのもので一滴ごとに凝結の中心となるべき核をもっている。この核となるものは極微な塵埃やまた物理学者がイオンと称えて顕微鏡でも見えぬしかもそれぞれ電気を帯び....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
殉教的な精神でもなけりゃ、こんな事件にはめったに動けんと思うよ。なにしろ、ほんの極微ぽけな材料だけで、極大の容積を得ようというんだからね。 第一、犯罪史にかつ....
暗黒星」より 著者:黒岩涙香
全く人心に忘れられていたのだ。 今の世の人心はただ精力を信ずるのみだ。宇宙一切の極微分子に精力こそ、目視るべからずしてしかも慈恩の行き渡れる者なれば何時の世まで....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
倍になる。これは微量放射線の連続全身照射にみられる症状である。つまりこの土地には極微量の放射能が残留しているのであって、これは爆撃当時米国から注意されたとおりで....
」より 著者:中谷宇吉郎
た塩の分子の集合から成るものもある。それは浪《なみ》のために海水の一部がちぎれて極微な粒子となって空中に四散して上昇して行ったものなのである。これらの細塵や塩の....
寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
業蹟《ぎょうせき》は自由学園の自然科学グループの人たちの研究で、その生成が土中に極微な粒子の存在することによるという点が明らかにされ、先生の見込みを確める結果を....
線香花火」より 著者:中谷宇吉郎
に火球の表面から放出されているのが見えた。これは火花としては眼に見えないくらいの極微の熔融滴が盛んに射出されるためと思われる。その状態が進んで、化学変化がもっと....