極点[語句情報] »
極点
「極点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
極点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
日ほどの激しい興奮と活動とでみじめにもそこない傷つけられているらしかった。緊張の
極点にいるような今の葉子にはさほどと思われないようにもあったが、貞世が死ぬかなお....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
の顔は雪のように青ざめて完全に死人の相を現わしていた。しかし、有力者の恐怖がその
極点に達したのは、死人が口を歪めて、すさまじくも墓場の臭いを彼の顔へ吹きかけなが....
「闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
は月夜でも暗い。歩くにしたがって暗さが増してゆく。不安が高まって来る。それがある
極点にまで達しようとするとき、突如ごおっという音が足下から起こる。それは杉林の切....
「蒼穹」より 著者:梶井基次郎
、身体からは平衝の感じがだんだん失われて来、もしそんな状態が長く続けば、そのある
極点から、自分の身体は奈落のようなもののなかへ落ちてゆくのではないかと思われる。....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
い遊戯が感じられず、まったくその数瞬間は、緊張とも亢奮とも、なんともつかぬ不安の
極点にあった。ところで、滝人が最初|目《もく》した、十四郎の居間付近について、や....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
為り、非常な尊敬を博します。サア斯うまで位置が転倒して、貴方の愛する女が不名誉の
極点から、名誉の
極点に飛び上るかと思えば、貴方は秀子を私へ譲ったのを嬉しいと思わ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
にもおびえまいとする。その時傷の痛みは私に或る甘さを味わせる。然しこの自己緊張の
極点には往々にして恐ろしい自己疑惑が私を待ち設けている。遂に私は疲れ果てようとす....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
の茶としてその地歩を占めてはいるが。 日本の茶の湯においてこそ始めて茶の理想の
極点を見ることができるのである。一二八一年|蒙古襲来に当たってわが国は首尾よくこ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
い鈍重な、生命の脱殻のようになって突っ立っていて、むしろその様子は、烈しい苦痛の
極点において、勝利を得た人のごとくであった。既に整頓の楔点が近づいたせいか、その....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
のを掴むことはできない。ただ愛によりてのみこれをよくすることができる。愛とは知の
極点である。(善の研究――四の五) かくのごとき認識的の愛は生命が自己を支えん....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
手の精神を疲労れさせているのであった。 斬り下ろした左門 神気の疲労が
極点に達した時、相手は自然に仆れるか、自暴自棄に斬りかかって来るか、二つに一つに....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
う事務は悉く機械の作用の如く完全に達せられる。戦争の如きも無くなった。万国公法が
極点まで進歩して一切の条項が完備したから、国と国との間にどの様な問題が在っても総....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
という市場へ指して後戻りしました。このギャア・ニマというところは私の西北に進んだ
極点の地です。
これまでは目的地に近づく点から見ると大廻りをして居った訳であり....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の主義一変して、政教分離の主義をとるものなり。第三は斉民教にして、これ政教分離の
極点に達したるものなり。英国、ロシア等は国教の組織を有する国なり。フランス、オー....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
、恩人から譲られた財産まで自由にする権利を与えてしまったのか、と思うと彼の憤りは
極点に達しました。それから間もなく発狂して、自殺したのです」 「親友はどうしまし....