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楼上
「楼上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楼上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
んで、男装束《おとこしょうぞく》に身をやつした。その装束や打ち物は、みな羅生門の
楼上に、皮子《かわご》へ入れてしまってある。――彼は、心をきめて、小路《こうじ》....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
しながら、美しい手に絞《しぼ》って見せる。乳は五百|条《すじ》の泉のように、高い
楼上の夫人の胸から、五百人の力士の口へ一人も洩《も》れず注がれる。――そう云う天....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
く動くようになったら、彼は何に措いても、この天井の硝子板をうち破り、その孔から、
楼上へ出てみたいと思った。そして広々としたあたりの風景を見るときのことを考えて、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
で来て、そこのアメリカンベーカリーへ入るまで、復一を勇気付けるように語り続けた。
楼上で蛾が一二匹シャンデリヤの澄んだ灯のまわりを幽かな淋しい悩みのような羽音をた....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
子は全然別な角度から麻川氏を見かけた。それは或夜、大変混雑な文学者会が、某洋食店
楼上で催され麻川氏もその一端に居た。淡い色金紗の羽織がきちんと身に合い、手首のし....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
気を見ると、何思ったか、えいと飛び降りた。 そして、耳をすますと、果して山門の
楼上より、ひそびそと話し声が聴えて来た。 「はて、面妖な。この丑満刻に時ならぬ人....
「琥珀のパイプ」より 著者:甲賀三郎
お聞きしたい事があるから、そこまでつき合って呉れと云うので、伴われて、玉川電車の
楼上の食堂に入った。 「岩見が捕まったそうですね」私は口を開いた。 「とうとう捕....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
興の知府を勤める楊景震が罪をえて軍台に謫戍の身となった。彼は古北の城楼に登ると、
楼上に一つのあかがねの匣があって、厳重に封鎖してある。伝うるところによれば、明代....
「書記官」より 著者:川上眉山
令が官報紙上にまさに現われんとする前日なりき。辰弥は急に善平を人知れずある待合の
楼上に招きて、事の危急に迫れるを知らしめ、かくして最後の大勝利また眼前に臨めるを....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
情ぞ 黒闇々中刀に声あり 圏套姦婦の計を逃れ難し 拘囚未だ侠夫の名を損ぜず 対牛
楼上無状を嗟す 司馬浜前に不平を洩らす 豈|翔だ路傍|狗鼠を誅するのみならん 他....
「迷信解」より 著者:井上円了
折二箱あり。請う、晩酌の助けとせよ』と。僕、大いにその厚意を謝す。すでにして僕、
楼上にのぼりて床の間を探るに、果たして紙包みと折り詰めあり。紙包みを開き見るに、....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
りになりたり。急ぎて先ず社務所に至り宿仮らん由を乞えば、袴つけたる男我らを誘いて
楼上に導き、幅一間余もある長々しき廊を勾に折れて、何番とかやいう畳十ひらも敷くべ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
って居りますと司令長官はこの邸内にあるテントの事務所から館の方に帰って来られた。
楼上の接客室で逢いましたが、その容貌は温厚|篤実でその中に威儀|凜然として侵すべ....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
もって迫ることになったゆえんだ。 翁にいわすれば……否、現に前山さんが私に三越
楼上で放言した一節を紹介すると……君遠州だっていちいち自分で茶杓を削りゃしないよ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
廟、富豪墓所等を一巡し、丘上なる鎮海楼(五層楼)上にのぼりて休憩し、小餐を喫す。
楼上にありて一望するに、カントン全市眼下にありて、街区は碁盤の目のごとく、江上の....