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「楼閣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

楼閣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
中に、お前は段々私から離れて行って、実質のない幻影に捕えられ、そこに、奇怪な空中楼閣を描き出すようになる。そして、お前の衷には苦しい二元が建立される。霊と肉、天....
食魔」より 著者:岡本かの子
に取ってこの春の二回の面会は通り魔のようなものだった。折角設計して来た自分らしい楼閣を不逞の風が浚い取った感じが深い芸術なるものを通して何かあるとは感づかせられ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ないので、かれは足をもって仏殿の柱を踏んで、檐さきに達し、さらに椽を攀じて百尺の楼閣に至った。実になんの苦もないのである。太宗帝は不思議に思った。 「こういう男....
死者の書」より 著者:折口信夫
れるほどである。 しずかに しずかに雲はおりて来る。万法蔵院の香殿・講堂・塔婆・楼閣・山門・僧房・庫裡、悉く金に、朱に、青に、昼より著く見え、自ら光りを発して居....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
しばらく沈黙がつづいた後、ジョウがいいました。 「あたしたちの勝手に考える空中楼閣がみんなほんとのものになって、そこに住むことができたら、どんなにおもしろいで....
村芝居」より 著者:井上紅梅
っそうあざやかになった。ふりかえって見ると舞台は燈火の中に漂渺として、一つの仙山楼閣を形成し、来がけにここから眺めたものと同様に赤い霞が覆いかぶさり、耳のあたり....
発明小僧」より 著者:海野十三
の諸公に贈るのじゃ。」 ホンモノの珍発明集 小説より奇なる実話あり。空中楼閣的模擬発明よりも奇なるホンモノの発明も亦、無からずして可ならん哉、乃ち、商工....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
そこは心地よいまどろみの国。 夢は半ばとじた眼の前にゆれ、 きらめく楼閣は流れる雲間にうかび、 雲はたえず夏空に照りはえていた。 ――倦怠の城 ハ....
」より 著者:犬田卯
ではどれほどの補償金が背負わされるか分ったものではない。 薄氷の上に建てられた楼閣のような組合の内幕から、それに関連して、Sという大字の連中は最初から組合の機....
座右第一品」より 著者:上村松園
でありますから、辺文進の花鳥の側に二歳か三歳の松篁が這い廻っていましたり、仇英の楼閣山水の隣りに、馬上の橋本関雪さんが居られたりします。 この関雪さんの姿は明....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
にも、どこの寺にも、今までこんな建物を見たことはなかった。 「城の中にこのような楼閣を築いたのは、日本にただ一つじゃ。」と、男はまた言った。「お身は知るまいが、....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
状の節理を成す。奇怪といいても尽さず。霊妙といいても尽さず。ただこれ鬼神が天上に楼閣を造れるかと思わるるばかり也。 その鬼神の楼閣に迎えられ、送られ、近く石狩....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
。――陰険、しかも、これこそ最高の力だった。それは無慈悲な指先で、空想のバラ色の楼閣を、こなごなにむしり取るのだった。彼女自身の感情がどうあろうとも、彼の感情は....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
艘をみつつ行く。ともづなをつなぎとめたのは植民州のはずれの岸であるが、市中の音や楼閣の姿がガラス窓を通して入ってくる。) たちまちにして見物案内者、争って船中....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
胸をおどらせながら市役所に飛んで行った。 道々の市民も一晩のうちに不思議な空中楼閣が、大阪の高空に出来たものだから、目を円くして天空を見ている。 市長室には....