楽しい[語句情報] »
楽しい
「楽しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
語」は下《しも》のように話を結んでいる。――
「伝吉はその後《のち》家富み栄え、
楽しい晩年を送りました。積善《せきぜん》の家に余慶《よけい》ありとは誠にこの事で....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
いたたった一つの慰めだった。彼は心身に食いこんで来るいろいろの苦しみを紛らす為に
楽しい記憶を思い起そうとした。けれども彼の一生は前にも言ったように浅ましかった。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
得ている。蟻は破産や失恋の為に自殺をする患はないかも知れぬ。が、我我と同じように
楽しい希望を持ち得るであろうか? 僕は未だに覚えている。月明りの仄《ほの》めいた....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
婦の談《かた》らいをなすった上、子供も大勢御出来になり、都にいらしった時よりも、
楽しい生涯《しょうがい》を御送りになったとか、まことしやかに語っていました。前の....
「或る女」より 著者:有島武郎
に行って、そこに倉地の面影《おもかげ》を少しでも忍ぼうとした。船の中での倉地との
楽しい思い出は少しも浮かんで来ずに、どんな構えとも想像はできないが、とにかく倉地....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
「きちょうめんにすわることなんぞははあねえもんだから。」二人は子供どうしのような
楽しい心で膳に向かった。君の大食は愉快に私を驚かした。食後の茶を飯茶わんに三杯続....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
音楽聞ゆ。 美女 一歩に花が降り、二歩には微妙の薫、いま三あしめに、ひとりでに、
楽しい音楽の聞えます。ここは極楽でございますか。 公子 ははは、そんな処と一所に....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
たる山羊どもは彷徨い出て、近所の牧場へ行ってしまった。そうして、音楽師が来たあの
楽しい日以来、彼は新しい物も古い物も見境いなく着つづけていたので、花聟の衣裳は磨....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
せないで、風邪ひとつおひかせでない。お母さんに別れてから、内に居ちゃあ知らなんだ
楽しいことも覚えさして下すった。伯母さんと居た時は、外へばかり出たかったに、姉さ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
健康でございましたから、私の処女時代は、全く苦労知らずの、丁度春の小禽そのまま、
楽しいのんびりした空気に浸っていたのでございます。私の幼い時分には祖父も祖母もま....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
高い塔の上から澄んだすずしい鐘の音が聞こえて鬼であれ魔であれ、悪い者は一刻もこの
楽しい町にいたたまれないようにひびきわたるそうであります。めでたしめでたし。....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
は、その時分のことをいつでもいってお聞かせだ。 六 今ではそんな
楽しい、うつくしい、花園がないかわり、前に橋銭を受取る笊の置いてある、この小さな....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、おさなごエスが、そこに、おいでになるかのように、うたいかけました。なんという、
楽しい夏の日だったでしょう。いきいきと、いつまでもさくことをやめないようにみえる....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
雀は鳴こうとしているんでしょう。鶯が、遠くの方で、低い処で、こちらにも里がある、
楽しいよ、と鳴いています。何不足のない、申分のない、目を瞑れば直ぐにうとうとと夢....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
が、その眼は、御馳走のたねを見のがすようなことは決してないので、嬉しくなってこの
楽しい秋の宝を見わたした。どこを見ても林檎があふれるほどだった。木の枝も折れるば....