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楽しみ
「楽しみ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽しみの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
た、肉感の強い女である。僕は勿論カルメンに扮《ふん》するイイナを観《み》ることを
楽しみにしていた、が、第一幕が上ったのを見ると、カルメンに扮したのはイイナではな....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
《せいようふうとう》を受け取るのにはかれこれ二週間も待たなければならぬ。が、彼の
楽しみにしていた東京へ出かける日曜日はもうあしたに迫っている。彼はあしたは長谷《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
のはありません。親子夫婦兄弟などというのはことごとく互いに苦しめ合うことを唯一の
楽しみにして暮らしているのです。ことに家族制度というものは莫迦げている以上にも莫....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
結婚後まだ半年《はんとし》と経たない内に、夫と別れてしまったのだから、その手紙を
楽しみにしていた事は、遠慮のない僕さえひやかすのは、残酷《ざんこく》な気がするく....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
《くらまえ》の札差《ふださし》とか諸大名の御金御用とかあるいはまたは長袖とかが、
楽しみに使ったものだそうだが、今では、これを使う人も数えるほどしかないらしい。
....
「少年」より 著者:芥川竜之介
う》」を買って来てくれた。こう云うお伽噺《とぎばなし》を読んで貰《もら》うことの
楽しみだったのは勿論である。が、彼はそのほかにももう一つ
楽しみを持ち合せていた。....
「百合」より 著者:芥川竜之介
んやく》のマルクスを耽読《たんどく》している。あるいは太い指の先に一本のバットを
楽しみながら、薄暗いロシアを夢みている。百合《ゆり》の話もそう云う時にふと彼の心....
「或る女」より 著者:有島武郎
はしなかった。生まれてから始めて孤独に身を置いたような彼女は、子供のようにそれが
楽しみたかったし、また船中で顔見知りのだれかれができる前に、これまでの事、これか....
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子と倉地とは竹柴館《たけしばかん》以来たびたび家を明けて小さな恋の冒険を
楽しみ合うようになった。そういう時に倉地の家に出入りする外国人や正井などが同伴す....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
されそうに霽《は》れわたった日でした。僕達は先生と一緒に弁当をたべましたが、その
楽しみな弁当の最中でも僕の心はなんだか落着かないで、その日の空とはうらはらに暗か....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
るために、だいじにとっておいた書生の言葉を使えるのが、この友だちに会う時の一つの
楽しみだった。 「だめだ。このごろは漁夫で岩内の人数が急にふえたせいか忙しい。し....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
――もっと大きい御伽噺の世界! その世界に我々を待っているものは、苦しみかまたは
楽しみか、我々は何も知りません。ただ我々はその世界へ、勇ましい一隊の兵卒のように....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たが竜宮へお出でなさることは、かねてからお通信がありましたので、こちらでもそれを
楽しみに大へんお待ちしていました。今日はわたくしが代ってお逢いしますが、この次ぎ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
選ばれたる者どもの恭敬に浸ることを歓び、失われたる者どもの、苦悩を見物することを
楽しみとするようなことのある筈もない。 然り、われ等の教には、かかる擬人説の闖....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ました。三人はいつものように、炭を売ってしまった後で、町の居酒屋で一杯ひっかける
楽しみのほか、何の考えもなく足を早めて道を歩いて行きました。 伊作は丈の高い一....