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楽人
「楽人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
みの中から目を光らしました。 ぼうとぶきみにまたたいている燈明のあかりの下に、
楽人たちの姿は見えるが、肝心の信者の姿は、舟で消えたあの女たちの姿は、ひとりも見....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
太い眉毛の下にぎょろりと眼が突き出し、分厚い唇の上に鼻がのし掛っていて、まるで文
楽人形の赤面みたいだが、彼はそれを雄大な顔だと己惚れていた。けれども、顔のことに....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
のれの域を脱することはまれである。竜門の琴を、なんのかいもなくかき鳴らそうとした
楽人のごとく、ただおのれを歌うのみであるから、その作品は、科学には近かろうけれど....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
音楽の部にある記述なんだが」
――所もあろうに日本において、純中世風の神秘
楽人が現存しつつあるということは、恐らく稀中の奇とも云うべきであろう。音楽史を辿....
「わが町」より 著者:織田作之助
あたりを見廻してから、 「今日は」 と、はいって行くと、 「おいでやす」 文
楽人形のちゃり頭のような顔をして格子のうしろに坐っていた丁稚が、君枝の顔を見るな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
国代表者の御挨拶を受けさせられる、公使らの随行員にまで謁見を許される、その間には
楽人の奏楽まである、このうわさが人の口から口へと伝わった。新政府の処置挙動に不満....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
近く、当日はわが面前にあるようにきこえましたが、役所へ出ると直ぐに討たれました。
楽人 建康に二人の
楽人がありまして、日が暮れてから町へ出ますと、二人の僕らしい....
「雨」より 著者:織田作之助
い眉毛の下にぎょろりと眼が突き出し、分厚い唇の上に鼻がのしかかっていて、まるで文
楽人形の赤面みたいだが、彼はそれを雄大な顔と己惚れていた。けれども、顔のことに触....
「久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
るまで半年余りの間幾度か女史に会った。すべて昔の思い出は物悲しい、特にこの不幸な
楽人の思い出は誠に私の心を痛ましめる。 よほどの語学の素養と外国生活の予備知識....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
噴飯してしまった。 ただし満洲の蛙も悉くこの調子外ればかりではなかった。中には
楽人の資格を備えている種類もあった。私が楊家屯に露宿した夕、宵の間は例の蛙どもが....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
突撃のときのたけだけしい叫喚。泣くときの気味悪い呻き。匪兵と農兵。道化と門付けの
楽人。その祖先は誰であったか? 黒海からきたシキア人か? スペイン人か? あるい....
「呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
とりでここへ来たとき、一つの夢を思い付いたのだ」 夢という言葉は慶四郎の口癖で
楽人仲間では有名であった。 「そら、また慶四郎さんの夢が始まった……だが、こんど....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
それからそいつの眷属|等、
木の葉におるは雨蛙、草の蔭のは※よ。
これがわし等の
楽人だ。
独吟
見ろ。あそこから木笛が来る。
石鹸のあぶくのようなざまだ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
もいえるであろう。 神楽の闇夜の篝火のそばで、採り物の歌の後、御酒をいただいた
楽人たちがたくらんだ戯言と同じ性質の笑い言が、清女の筆を通して文学の形を取り得た....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
遺迹と謂ふもの、北側東の端同町の会所是なり。本尊阿弥陀仏今猶存す。 又当町号所舞
楽人の家数多あり。是元興寺の余計なり。 とある。公納堂が元興寺の正倉院であった....