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楽天主義
「楽天主義〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽天主義の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
事実はわたしたちのついにわたしたちを超《こ》えられないということである。あらゆる
楽天主義的な目隠しをとってしまえば、鴉《からす》はいつになっても孔雀《くじゃく》....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
椎の葉
完全に幸福になり得るのは白痴にのみ与えられた特権である。如何なる
楽天主義者にもせよ、笑顔に終始することの出来るものではない。いや、もし真に楽天主....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
もすれば、もう戦争は起らないでしょう」 「そう簡単にいくだろうか。わしはそれほど
楽天主義ではない」 そういっているところへ、遠方から、微妙な音響が聞えて、それ....
「透明猫」より 著者:海野十三
思ってあきらめて、あとはどんな苦しいことがあっても、にこにこして暮らしているさ。
楽天主義《らくてんしゅぎ》にかぎるよ。そして困ったら、三日でも四日でもよく考える....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。彼は数週間の、数日間の、余裕を得ようとつとめた。そして例の医《いや》しがたい
楽天主義のあまり、損失全部をでなくとも、せめて預金者らへかける損失だけは、回復の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
粗雑な夢を、飢えたる顧客らの眼に見せつけてるのであった。その嫌悪《けんお》すべき
楽天主義に対抗して、労働組合を戦いに導いてる優秀者らの深奥熱烈な反動が起こってる....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
しながら、自分を待ってる静かな仕事の年々を、うちながめていた。そして、ゲルマン的
楽天主義の古い素質をもって彼は、万事都合よくいってるのだと思い込みがちだったので....
「演出者として」より 著者:岸田国士
、作者は、彼等に、最後の「人間らしさ」を残し、その人間らしさは、スラブ民族特有の
楽天主義と、信仰と矛盾しない「ニヒリズム」とに支えられて、おおらかな人生の歌を唱....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
ほんの僅かであった。ワルトンは寂しくて馬鹿らしくて仕様がないのであった。でも彼は
楽天主義者であったから、期待は細々と持ち続けた。半月以上経って、アイリスが自分と....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
る楽天家のポエジイである。この点で芭蕉も、蕪村も、西行《さいぎょう》も、すべて皆
楽天主義者の詩人に属している。日本にはかつて決して、ボードレエルの如き真の絶望的....
「ある思想家の手紙」より 著者:和辻哲郎
中に何の不満もなさそうに栄えている凡庸人に対しては、烈しい憎悪を感じます。安価な
楽天主義は人生を毒する。魂の饑餓と欲求とは聖い光を下界に取りおろさないではやまな....
「『唯研ニュース』」より 著者:戸坂潤
君は全くオプティミストだねと感心する友人に対して、私はいつもこう説明する。俺の
楽天主義には科学的なレーベンスワイスハイト(「哲学」)がある。何しろ人生は賭けだ....