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楽師
「楽師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
倒した――と言ってもいいくらいだった。 木崎も驚いたが、客もダンサーも、そして
楽師もあっと思った。 バンドの調子は、いきなり崩れた。 一階のホールの正面の....
「慈悲」より 著者:岡本かの子
かし、主人はきき入れませんでした。何処までも、自分の邸内にとどめて可哀想な乞食音
楽師を安楽に暮らさせ様と心掛けました。それにもかかわらず老爺のヴァイオリン弾きは....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ツィンゲンの城苑において、マンハイム選挙侯カアル・テオドルが、仮面をつけた六人の
楽師を養成したという一事に尽きている。ここにおいて予は、その興味ある風説に心惹か....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
に十三坪ほどの踊り場があった。その周囲にも客テーブルが一列だけ並んでいた。三人の
楽師が狭いので壁の上方の差出しの窪みに追い上げられ、そこにおさまって必死になって....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
いる彼の返事がそこからでも出てくるように、じーっとラザルスの拳に見入っていた。音
楽師たちはそのまま音楽をつづけてはいたが、一座の静寂はかれらの心にまでも喰い入っ....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
「そうかい。じゃ、ママンにはあたしがなってやる。そうしてと――。」 パパには鋸
楽師のおいぼれとただ呼ばれる老人は鋸を曲げながら弾いていろいろなメロディを出す一....
「小夜啼鳥」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
らでした。 「いや、これはさいく物のことりがわるいのではございません。」と、宮内
楽師長がいいました。「どうしてふしはたしかなもので、わたくしどもの流儀にまったく....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ト。みんな吹奏楽器だね。」 興行場の看板の下の棚の上にはけばけばしい服装をした
楽師たちが押合って身づくろいをしている。われわれは藤村の指揮するままに場内に入っ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
呼びあつめた。演奏するのは年配の白髪頭の黒人で、もう五十年以上もこの界隈で巡回音
楽師をしていた。その楽器は古くてこわれかかっており、彼自身とおなじだった。演奏中....
「「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
心境(というものがあるとすれば)、それこそ正に舞曲を以て天命の所作と心得ている能
楽師(そんな人がいるとすれば)の心境と一致するものではあるまいか。 能を見て頭....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
或外国語学家の玄関に書生をしていた。祖父、伯叔父、一統いずれも故人だが、揃って能
楽師だった母方のその血をうけて、能が好きだから、間を見ては舞台を覗く。馴染になっ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
き競う、彼方此方に蝴蝶の数々が翩々として花に戯れ空に舞い、雲雀はまた華蔵世界の音
楽師は我のみぞと言わぬばかりに謡うて居る。その愉快なる声に和して賤の女らが美しき....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
永記)のような講釈軍記の台本が書かれている。大和の春日神社に奉仕していた大和|猿
楽師の中、観世座の観阿弥・世阿弥父子が義満の寵によって、京都に進出し、田楽の座の....
「春になる前夜」より 著者:小川未明
掌の裏を返さないうちに、天気の変わることがあります。 このとき、ここに哀れな旅
楽師の群れがありました。それは年寄りの男と、若い二人の男と、一人の若い女らであり....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
かし、主人はきき入れませんでした。どこまでも、自分の邸内にとどめて可哀相な乞食音
楽師を安楽に暮させようと心掛けました。それにもかかわらず老爺のヴァイオリン弾きは....