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楽章
「楽章〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
楽章の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
通っていないが、音楽的にちゃんと筋道が通っており、三十六句は渾然《こんぜん》たる
楽章を成している。そういう意味での筋の通った連句的な映画を見せてくれる人はないも....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
あなた》の感情でできた」と告げている{6}。またショパンは「ヘ」短調司伴楽の第二
楽章の美しいラルジェットがコンスタンチア・グラコウスカに対する自分の感情を旋律化....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
っていて、クリヴォフ夫人の作曲に係わる、変ロ調の竪琴と絃楽三重奏が、ちょうど第二
楽章に入ったばかりのところだった。竪琴は伸子が弾いていて、その技量が、幾分他の三....
「俳諧瑣談」より 著者:寺田寅彦
や去り嫌いや打ち越しなどに関する連句的制約をある程度まで導入して進行の沈滞を防ぎ
楽章的な形式の斉整を保つと同時に、また映画の編集法連結法に関するいろいろの効果的....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
とはないが、この対比はそれほど適切とは思われない。 上記のような形式から成る「
楽章」をさらに三つ四つと続けていわゆるソナタやシンフォニーを構成する。この組み立....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
旗のはためきに移る瞬間に、われわれはちょうどあるシンフォニーでパッショネートな一
楽章から急転直下 Attacca subita il seguente に明朗な....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
和声学上の規則と類似したもので、陪音の調和問題から付け心の不即不離の要求が生じ、
楽章としての運動の変化を求めるために打ち越しが顧慮され去り嫌い差合の法式が定めら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
団が毎週催す定期演奏会で自作のピアノ協奏曲《コンセルト》を一つひいた。その曲の終
楽章の中ほどまでひいた時、彼は偶然、前面の桟敷《さじき》に、自分の方を眺めてるケ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ところの、芸術的な内的な順位をもってする。 かくして作品全体は、交響曲の四つの
楽章のように、四編となって現われる。 第一編は、クリストフの若き生(曙《あけぼ....
「旅だち」より 著者:豊島与志雄
そう言って洋子は笑いました。 「そして、どんなことをするの。」 「エロイカの第二
楽章、あの葬送行進曲を演奏して、蝋燭をつけて行列するんですって。」 「それから…....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
男の偉大な思想が分らねエのかな。惚れたハレたなんて、そりや序曲といふもんで、第二
楽章から先はもう恋愛などゝいふものは絶対に存在せんです。哲学者だの文士だのヤレ絶....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
である。君は詩を書いてポオル・フォオルに読ませたらよい。僕はいま海賊の歌という四
楽章からなる交響曲を考えている。できあがったら、この雑誌に発表し、どうにかしてラ....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
つの色なり気分なりを象徴し得る音楽を欲することがある。むろんそれは、ある曲のある
楽章のある小節をちぎつてきたものでもいいし、あるいは五線紙に一、二行、だれかが即....
「チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
て、僕の解するかぎりこの作品は次のようなムーヴマンを追っているのである。 第一
楽章。平明な緩徐調。――画家が道に迷ってヴォルチャーニノフの家に近づく。その姉娘....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
なされた事がないと信じる一解釈をここに表明しておきたい。――『田園交響楽』の第二
楽章の終りに、オーケストラが夜啼鶯と郭公と鶉の啼き声を聴かせることは人の知る通り....