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榕
「榕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
榕の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
寂しい漁村《ぎょそん》へはいりました。薄白い路の左右には、梢《こずえ》から垂れた
榕樹《あこう》の枝に、肉の厚い葉が光っている、――その木の間に点々と、笹葺《ささ....
「雪後」より 著者:梶井基次郎
られているある宗門の僧侶――そんな見当だった。また○○の木というのは、気根を出す
榕樹《たこのき》に連想《れんそう》を持っていた。それにしてもどうしてあんな夢を見....
「俊寛」より 著者:菊池寛
らなかったが)夢中で走った道を、二町ばかり引返した。彼は、昼間そこを走ったとき、
榕樹が五、六本生えていて、その根に危く躓きそうになったのを覚えていた。彼の濁って....
「河明り」より 著者:岡本かの子
っている。何ともないような橋なのだが、しきりに私達の心は牽かれる。向う岸の橋詰に
榕樹の茂みが青々として、それから白い尖塔が抽んでている背景が、橋を薄肉彫のように....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
こと暫し、台地が東側の大峡谷に落ちこむ縁の所に、一本の素晴らしい巨樹を見付けた。
榕樹《ガジマル》だ。高さは二百|呎《フィート》もあろう。巨幹と数知れぬ其の従者共....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
山王神は猴を使物として毎年六月十五日猴集まって登山すとあり。紀州の白崎では、以前
榕実熟する時、猴これを採りに群集し、田辺附近の竜神山にも、千疋猴とて、夥しき猴の....
「恐竜島」より 著者:海野十三
方々にとんがっている。そのまわりは一面に深い密林だ。椰子もあるし、マングローブ(
榕樹《ようじゅ》)も見える。その間に、ところどころ白い砂浜《すなはま》がのぞいて....
「傷だらけの足」より 著者:宮本百合子
苦しむ人間性をまっとうに評価するひとと自分への責任がある。「風にそよぐ葦」に児玉
榕子という女性が登場して来る。小説の中の人物は小説中の人物だという考えは、日本の....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
場生活であった。 七月九日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(陳清※筆「
榕園」の絵はがき)〕 七月九日。きょうのおかゆはどうでしたろう? かたくなかっ....
「環礁」より 著者:中島敦
おひげ》のように攀援類《はんえんるい》の纏《まと》いついた鬱蒼《うっそう》たる大
榕樹《だいようじゅ》の下まで来た時、始めて私は物音を聞いた。ピチャピチャと水を撥....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
まえがき 花は、率直《そっちょく》にいえば生殖器《せいしょっき》である。有名な蘭学者《らんがくしゃ》の宇田川
榕庵《うだがわようあん》先生は、彼の著《ちょ》『植学|啓源《けいげん》』に、「花....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
た。 陀堀多は知らず知らず黍の蔭に身を隠しながら姫の姿を追った。 本あぜ道は
榕樹の林へ向っていた。そこまではまだ二三町あった。さいわい黍畑は続いて居た。はる....
「暴風への郷愁」より 著者:山之口貘
の喬木で、葉はダ円形、葉肉が厚く、幹や枝から、ひげのように気根を垂れていて、一名
榕樹ともいわれている樹なのだ。ぼくの家の井戸端にも、中年のがじまるの木があったが....