»
構え
「構え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
構えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
倹を加えなければならなかった。彼等は玄関とも五間の家に――しかも小さい庭のある門
構えの家に住んでいた。けれども新らしい着物などは誰一人滅多に造らなかった。父は常....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
見上げた。その顔に現れた感情は何とも云われない恐怖《きょうふ》だった。伝吉は刀を
構えながら、冷やかにこの恐怖を享楽した。
「さあ、その伝三の仇《あだ》を返しに来....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
一
………それは小ぢんまりと出来上った、奥床しい門
構えの家だった。尤《もっと》もこの界隈《かいわい》にはこう云う家も珍しくはなかっ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
はありますか?」
「ありますとも。日本では絞罪《こうざい》です。」
僕は冷然と
構えこんだペップに多少反感を感じていましたから、この機会に皮肉を浴びせてやりまし....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
んかん》が画《えが》いたように、折れ曲っている容子《ようす》なぞでは、中々大きな
構えらしい。そのまた欄干の続いた外には、紅い芙蓉《ふよう》が何十株《なんじっかぶ....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
万元を越していたんだからね。こいつは上海《シャンハイ》の租界の外に堂々たる洋館を
構えていたもんだ。細君は勿論、妾《めかけ》までも、………」
「じゃあの女は芸者か....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
治修は黙然《もくねん》と耳を傾けているばかりだった。
「二人は正眼《せいがん》に
構えたまま、どちらからも最初にしかけずに居りました。その内に多門は隙《すき》を見....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
をさし交《かわ》せて、ひっそり谷を封じたまま、何か凶事《きょうじ》が起るのを待ち
構えているようであった。が、彼は何も見ず、何も聞かずに走り続けた。熊笹は露を振い....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
に坐っていた。
田口一等卒は銃剣をつけると、まず辮髪を解き放した。それから銃を
構えたまま、年下の男の後《うしろ》に立った。が、彼等を突殺す前に、殺すと云う事だ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
愛上の衒学者《げんがくしゃ》と云わなければならぬ。あらゆる処女崇拝者の何か厳然と
構えているのも或は偶然ではないかも知れない。
又
勿論処女らしさ崇拝....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
。
ところが潤州へ来て観《み》ると、楽みにしていた張氏の家というのは、なるほど
構えは広そうですが、いかにも荒れ果てているのです。墻《かき》には蔦《つた》が絡《....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れから何年になるか知れぬが、今では少し幽界の修行も積み、明るい所に一|軒の家屋を
構えて住わして貰っている……。』 私は良人の素朴な物語を大へんな興味を以てきき....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
界へなだれ込む。すると其所には、残忍性にとめる在来の堕落霊どもが、雲霞の如く待ち
構えていて、両者がグルになって、地上の堕落せる人間に働きかけるから、人間の世界は....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * この散歩路のほうに向って入口のついた、小粋な
構えの小さな家が一軒あったが、折しもその家から若い女がひとり出て来た。ちょっと立....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
の「馬車通り」にあった「魚善」という肴屋を覚えている。それから又樋口さんという門
構えの医者を覚えている。最後にこの樋口さんの近所にピストル強盗清水定吉の住んでい....