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「槍持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

槍持の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
阿部一族」より 著者:森鴎外
我をするなよ」と声をかけた。乙名《おとな》島徳右衛門、草履取《ぞうりとり》一人、槍持《やりもち》一人があとから続いた。主従四人である。城から打ち出す鉄砲が烈《は....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
云っておくが、もし半兵衛が先に来たら武右衛門、決して槍をとらすな。半兵衛を斬るか槍持を斬るかとにかく槍を執らさぬ手段をするがいい。斬込む合図は私が後の奴を斬ると....
名君忠之」より 著者:夢野久作
ッ……」 と尾藤内記は狼狽してお茶坊主を睨み付けた。お徒歩侍、目明し、草履取、槍持、御用箱なんどがバラバラと走って来て式台に平伏した。 三 「ア....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
りに膝こごめながら、御前の近くに伺候しようとしたとき、 「ホウイ、ホイ」 と、槍持ち奴共の声も景気よく吉田の宿の方から街道目ざして練って来たのは、どこかの藩の....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
ざいますが、新参のことで、谷中のお下屋敷詰を申付けられました。始りはお屋敷|外を槍持六尺棒持を連れて見廻らんければなりません、槍持は仲間部屋から出ます、棒持の方....
寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
行の一番先には、大阪の町人、又五郎の妹婿虎屋五左衛門が馬で、その次に、半兵衛が、槍持と、下人と、小姓と三人を従えてつづき、その後方に又五郎が、供三人、最後に、甚....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
乗った伊勢守の側《わき》に清川八郎がついて、雪を蹴立てて走り出すと、従五位の槍の槍持《やりもち》がそれに後《おく》れじと飛んで行く。 三十一 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
連中までが逃げかかる。 「ともかくも、そのお槍をお貸し下さい」 逃げようとした槍持の手から兵馬は手槍を奪い取る、奪い取ったのではない、抛《ほう》り出して逃げよ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
この先の信心者《しんじんもの》の家にいるんだがね」 「そうしてお前、その坊さんの槍持をして歩いて来たのかえ」 「ううん、そうじゃねえ、この槍は俺《おい》らの槍な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
与力同心の面々は肩車で越えるということであります。そのほか仲間《ちゅうげん》、槍持《やりもち》、挟箱担《はさみばこかつ》ぎ、馬方に至るまで、みな人足の肩を借り....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うな按摩さん。 一文字笠に二本差した甲掛《こうがけ》草鞋《わらじ》の旅の武士。槍持に槍を持たせて従者あまた引連れたしかるべき身分の老士。 鉄鉢の坊さんが二人....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うどいいあんばいにひっかかったのではあったけれども、それが大事の槍であったから、槍持の奴《やっこ》は嚇《かっ》としました。槍持の奴と面《かお》を見合せた馬上の侍....
南国太平記」より 著者:直木三十五
余りの者が、一列に立ち並んだ。胡牀《こしょう》を持っている者。医者らしい坊主頭。槍持。挟箱――そんなものも見えていた。人々が、頭を下げると、久光が、馬をすすめた....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
思い浮べられぬ光景であり、またその祭の行列の一番後には、殿様から附けられた多くの槍持ち、今なら儀仗兵に当るものが行くというので、それを見物に出て来たあばたの少年....