様様[語句情報] »
様様
「様様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
様様の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玩具」より 著者:太宰治
た。「坊や、痛いか。痛いか。」私には痛かった。 私の祖母が死んだのは、こうして
様様に指折りかぞえながら計算してみると、私の生後八カ月目のころのことである。この....
「逆行」より 著者:太宰治
ひきはじめた。私がそのカフェの隅の倚子《いす》に坐ると、そこの女給四人すべてが、
様様の着物を着て私のテエブルのまえに立ち並んだ。冬であった。私は、熱い酒を、と言....
「狂言の神」より 著者:太宰治
わりの作家、笠井一の縊死《いし》は、やよいなかば、三面記事の片隅に咲いていた。色
様様《いろさまざま》の推察が捲き起ったのだけれども、そのことごとくが、はずれてい....
「彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
、そっくり僕のお小使いになる筈なのであるが、おかげで、この一年間というもの、僕は
様様のつきあいに肩身のせまい思いをした。 いまの男に貸したのは、昨年の三月であ....
「ロマネスク」より 著者:太宰治
郎兵衛は大社の大鳥居のまえの居酒屋で酒を呑みながら、外の雨脚と小走りに走って通る
様様の女の姿を眺めていた。そのうちにふと腰を浮かしかけたのである。知人を見つけた....
「猿ヶ島」より 著者:太宰治
かかって見えだした。峯が三つ。まんなかの円い峯は、高さが三四丈もあるであろうか。
様様の色をしたひらたい岩で畳まれ、その片側の傾斜がゆるく流れて隣の小さくとがった....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
るのであって、親爺は地主か何かでかなりの金持ちらしく、そんな金持ちであるからこそ
様様に服装をかえたりなんかしてみることもできるわけで、これも謂わば地主の悴の贅沢....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
きじゃ。昨日頼まれただけも百軒ばかり在る。世の中は何が当るやらわからん。痳疹の神
様様じゃ」 「ワハハハハ。成る程なあ。痳疹の神様とかけて大目付と解く。心は、イン....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
へ行くことによって破壊される不幸な予覚をさえ感じた。みなこの小さな私の成長の上に
様様な苦しみと邪魔をすると思った。今夜はまた私はしずかに詩作に耽ることを考えてい....
「幼年時代」より 著者:室生犀星
綿にくるんで、やはり貰った箱にしまっておいた。姉は、ことに小布片が好きであった。
様様な色彩の絹類を大切に持っていた。どうしたはずみだったか、姉の名あての手紙の束....