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様相
「様相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
様相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
めようとするのは、現実に魔法を行おうと試みるような幼稚なことで、現に荒廃せるこの
様相をまずシカと認識してかからねばならぬ。すなわち、街は焼け野である。人は雑居し....
「二合五勺に関する愛国的考察」より 著者:坂口安吾
ヨタヨタし、要するに、バクダンはなくなったが、まだわれわれはまったく戦争の荒廃の
様相のなかにいるからだ。われわれはあきらめているのだ。いな、われわれ自身が考える....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
愛と比較するとき、これは何という相異であろう。しかもこれはひとしく人間の母性愛の
様相なのだ。後のものは高められた母性愛、道と法とに照らされたる母性愛である。そこ....
「太宰治情死考」より 著者:坂口安吾
、現世で、生きぬくがよい。 太宰の自殺は、自殺というより、芸道人の身もだえの一
様相であり、ジコーサマ入門と同じような体をなさゞるアガキであったと思えばマチガイ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
る限りは、その因果モノ的性格が気になるだけのことであるが、園田氏の場合になると、
様相はガラリと一変する。 天光光嬢はフロシキ包みを連日にわたって持ちだし、墓前....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ら新天地を開拓するような興味が起らなかったのである。 今度の巷談に、熱海復興の
様相をさぐれということで、熱海復興は糸川から、と叫んでいるぐらいだから、糸川見物....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
らはイヤがられる存在にきまったものだ。 落語というものが、昔のまま、庶民芸術の
様相だけもちながら、全然庶民性や、時代性を失っているから、いつの時代にも、金語楼....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
してモスコーへ逃げ、そこで共産主義の筋金を入れて日本へ逆に密入国するという今日の
様相と変りはない。外国からの思想が断圧されれば、思想の如何を問わず、時代を問わず....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
意味らしい。また、膝ありて膕踵なし、ヨボロクボはクビスの由ですが、この文章からは
様相の見当がつきません。 ヒダではこの怪人物を両面スクナと云っています。書紀で....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
たそうすることが英雄的行動の誇示にもかのうからである。宝塚難民の逆上混乱、颱風的
様相というものは、その数年後に貝ガラのフタを堅くとじて一生自分の神の名を、また本....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ころ、これを人に施すなかれ、ということが形式的にでも通俗なモラルになると、世界の
様相は一変して、なごやかになるね。 再軍備が必要だという。そういう必要論者だけ....
「城」より 著者:カフカフランツ
けの問題としてです。ところが、あなたのお話をうかがったあとの今となっては、事件の
様相は変ってしまいました。その変わりかたは、私にはどういうふうにして起ったのかど....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
るのみ、寿司屋ともなんとも表現していない。なに知らぬ者にはちょっと飛び込みにくい
様相を呈し、遅疑逡巡、終には素通りする者も少なくなかろう。それがため、店内に居並....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
王の準備は現実に不充分だったのだ。軍艦は散り散りに、そして沈み始めた。風は暴風の
様相を帯びてきた。絶望的な軍議が開かれ、総督は信号を発した。かくて無敵艦隊は匐う....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
化や気温の上下は病弱の身に人一倍敏感である。しかし、これがこの辺りの特殊な気候の
様相であるという。自分は日本でも一二の健康都市といわれるK市の山麓に静かに住みな....