»
樋
「樋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
樋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
28
劇場の裏の上部。火のともった窓が一つ見える。まっ直《すぐ》に雨
樋《あまどい》をおろした壁にはいろいろのポスタアの剥《は》がれた痕《あと》。
....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
》を揚げながら、「定遠《ていえん》」の沈没する所もあった。敵の赤児を抱《だ》いた
樋口大尉《ひぐちたいい》が、突撃を指揮する所もあった。大勢の客はその画《え》の中....
「或る女」より 著者:有島武郎
くの時が過ぎた。
十一時近いこのへんの町並みはいちばん静かだった。葉子はふと雨
樋《あまどい》を伝う雨だれの音を聞いた。日本に帰ってから始めて空はしぐれていたの....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
置くと、午少し前の、いい天気で、閑な折から、雀が一羽、……丁ど目白鳥の上の廂合の
樋竹の中へすぽりと入って、ちょっと黒い頭だけ出して、上から籠を覗込む。嘴に小さな....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
視て、たまらず詰るように言ったが、ついでにこの仔細も分かった。……池は、樹の根に
樋を伏せて裏の川から引くのだが、一年に一二度ずつ水涸れがあって、池の水が干ようと....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
した状態となった。 ◯親類ですでに戦災せるは、牛込岩松町の山中作市氏一家、ほかに
樋口（中野）、中条（代々幡）、常田（厩橋）である。 ◯清水も過日、濃密夜爆を受け....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
被いで蒼い。しかも巌がくれの裏に、どうどうと落ちたぎる水の音の凄じく響くのは、大
樋を伏せて二重に城の用水を引いた、敵に対する要害で、地下を城の内濠に灌ぐと聞く、....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
って醤油なんか思いもよらない。焼くのに、炭の粉もないんです。政治狂が便所わきの雨
樋の朽ちた奴を……一雨ぐらいじゃ直ぐ乾く……握り壊して来る間に、お雪さんは、茸に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
お心持も察して上げておくんなせえ。 あくる日｜岨道を伝いますと、山から取った水
樋が、空を走って、水車に颯と掛ります、真紅な木の葉が宙を飛んで流れましたっけ、誰....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
んだ、『閨秀小説』というのがある、知ってるかい。」 「見ないが、聞いたよ。」 「
樋口一葉、若松｜賤子――小金井きみ子は、宝玉入の面紗でね、洋装で素敵な写真よ、そ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、さまで旅らしい趣はないが、この駅を越すと竹の橋――源平盛衰記に＝＝源氏の一手は
樋口兼光大将にて、笠野富田を打廻り、竹の橋の搦手にこそ向いけれ＝＝とある、ちょう....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
竜宮の案内記を書くようなものだが、現にお里の釣瓶鮨のあとも今なお連綿として残り、
樋口の十郎兼光の逆櫓の松も栄え、壺阪では先年｜沢市の何百年｜遠忌だかを営んだ。『....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を移すと、博物館の此方、時事新報の大看板のある樹立の下に、吹上げの井戸があって、
樋の口から溢れる水があたかも水晶を手繰るよう。 お夏は翳していた日傘の柄を横に....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
島時代で最も印象に残っているのは、小学校の五、六年ごろと思うが、断崖にかけてある
樋を渡って母にしかられた思い出だ。三宅島は火山島で水に不便だ。清水を部落までひく....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
っていた。僕はこの「馬車通り」にあった「魚善」という肴屋を覚えている。それから又
樋口さんという門構えの医者を覚えている。最後にこの
樋口さんの近所にピストル強盗清....