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標本
「標本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
標本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「早春」より 著者:芥川竜之介
博物館の二階へ登っていった。階段を登りつめた左にあるのは爬虫類《はちゅうるい》の
標本室《ひょうほんしつ》である。中村はそこへはいる前に、ちょっと金の腕時計を眺め....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
紙です。筆を横に取って、仮名で、土佐言葉で書く。今あとで坂本さんが出て土佐言葉の
標本を諸君に示すかも知れませぬ(大笑拍手)。ずいぶん面白い言葉であります。仮名で....
「生きている腸」より 著者:海野十三
う》、それから人間の腸《ちょう》など、うるさいほどたくさんに書きつらなっている。
標本としても生きている腸《ちょう》は、そう珍らしいものではない。 医学生吹矢が....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
物に出た。 町には、貝がらだの、珊瑚《さんご》だの、極楽鳥《ごくらくちょう》の
標本《ひょうほん》だの、大きな剥製《はくせい》のトカゲだの、きれいにみがいてある....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
のです』と言って、にこやかな微笑をその童顔に浮ばせてみせた。真に学問を楽しむ人の
標本をここに目のあたりに見る心持がしたのであった。 この現在の翻訳をするように....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ーフもアナトール・フランスも皆跡もなく猛火の餌食となって了った。近代的装釘技術の
標本として屡々人に示したクレーマー出版の『ウェルタール・ウント・メンシハイト』の....
「海底都市」より 著者:海野十三
急に自分がかびくさい人間になってしまったような気がした。 「あるいは、医科大学の
標本室へ入れておかれる手もありますがねえ」 「ああ、それも悪くないですね。大学生....
「恐竜島」より 著者:海野十三
なのがいる。紫色のも、赤と青の縞《しま》になっているのも……」 「君は、この魚を
標本《ひょうほん》にもってかえりたいだろう」 「そうですとも。ぜひもって帰りたい....
「火星探険」より 著者:海野十三
が多く、サリーは縫針《ぬいばり》を十本ほど呉《く》れて、もしこの縫針が余ったら、
標本になる珍らしい蝶々をとってこれで背中をさしとおして持って帰ってちょうだいなと....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
称えられる、聞こえた鳥類の研究家で。家には、鳥屋というより、小さな博物館ぐらいの
標本を備えもし、飼ってもいる。近県近郷の学校の教師、無論学生たち、志あるものは、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
り。壁に五段ばかり棚を釣って、重ね、重ね、重ねてあるのは、不残種類の違った植物の
標本で、中には壜に密閉してあるのも見える。山、池、野原、川岸、土堤、寺、宮の境内....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
観た臨終の光景を知りたいと仰ッしゃるのでございましょう。宜しうございます。では、
標本のつもりで、私の母の歿った折の模様を、ありのままにお話し致しましょう。わざわ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、これは如何ともすることができない。活字に附せられたものは、未発表の部分の単なる
標本として之を取扱い、他日全部公開の機会の到来を待つより外に途がない。 『私自身....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
であった。 しかしファラデーは、かような小使風の仕事をするばかりでなく、礦物の
標本を順序よく整理したりして、覚書に定めてあるより以上の高い地位を占めているつも....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
・ヴァン・タッセル老人は、裕福な、何ひとつ不足のない、心の大まかな農夫の見ごとな
標本だった。じっさい、彼は自分の農場の境界よりそとのことには目をくれようともしな....