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標札
「標札〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
標札の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
様」と云う字に変ってしまう。
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斜《ななめ》に見た
標札屋《ひょうさつや》の露店《ろてん》、天幕《てんと》の下に並んだ見本は徳川家康....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
、印度《インド》人マティラム・ミスラと日本字で書いた、これだけは新しい、瀬戸物の
標札《ひょうさつ》がかかっています。
マティラム・ミスラ君と云えば、もう皆さん....
「死後」より 著者:芥川竜之介
に変らなかった。いや、門の上の葉桜の枝さえきのう見た時の通りだった。が、新らしい
標札《ひょうさつ》には「櫛部寓《くしべぐう》」と書いてあった。僕はこの
標札を眺め....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
た。 そのうちに僕等は薄苔のついた御影石の門の前へ通りかかった。石に嵌めこんだ
標札には「悠々荘」と書いてあった。が、門の奥にある家は、――茅葺き屋根の西洋館は....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
住んでいた。と言ってももちろん鎧武者ではない。ごく小さい桶屋だった。しかし主人は
標札によれば、加藤清正に違いなかった。のみならずまだ新しい紺暖簾の紋も蛇の目だっ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
前後をソッと見廻した後で、潜り戸の上をコツコツコツと三つ叩いた。そこに懸っている
標札には「動坂家勝手口」という文字が読めた。――戸は合図に応じて、音もなく内側に....
「人間灰」より 著者:海野十三
れについて行けば本道に出るだろうと思って辿ってゆくと、やがて一軒の家の前に出た。
標札には「湖口百番地、青谷二郎」と認めてあった。その家の前に湖水の水が騒いでいた....
「蠅男」より 著者:海野十三
い洋館があった。 太い御影石の門柱には、「玉屋」とただ二字だけ彫ったブロンズの
標札が埋めこんであったが、これぞいまラジオ受信機の製造で巨万の富を作ったといわれ....
「銀座幽霊」より 著者:大阪圭吉
人というのは、もう四十をとっくに越したらしい女で、恒川|房枝――女文字で、そんな
標札がかかっていた。横町の人びとの噂によると、なんでも退職官吏の未亡人ということ....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
うとするのだ! 記者|倶楽部 正六面体の例の部屋に、「記者倶楽部」という
標札が掲げられた。給仕がやってきて、戸棚と向き合った壁の上に、その札を釘づけにし....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
てかの女と逸作が一昨年|帰える時、息子ばかりが巴里に残った。 かの女が分譲地の
標札の前に停って、息子に対する妄想を逞しくして居る間、逸作は二間|程離れておとな....
「神経」より 著者:織田作之助
て、戎橋筋を真っ直ぐ北へ歩いて行くと、戎橋の停留所へ出るまでの右側の、焼け残った
標札屋の片店が本屋になっていて、参ちゃんの顔が見えた。 「やア、到頭はじめたね」....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
った。 ひそかに尾行していた小沢は、何気なくその家の前を通り過ぎざまに、ちらと
標札の文字を見上げた。 「横井喜久造……」 その名前を記憶の中に入れて、小沢は....
「四つの都」より 著者:織田作之助
節子 尾形清子 蜂谷十吉 夜店出しのおっさん 船山上等兵 江藤医学士 大雅堂主人
標札屋の老人 他に、国民学校訓導、看護婦、子供達。 時――現代 大阪は木のない都....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
りしたのもこういう親戚のあったためであろう。僕はまたその家の近所に今村次郎という
標札を見付け、この名高い速記者(種々の講談の)に敬意を感じたことを覚えている。―....