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標石
「標石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
標石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
た。そのときは霧が巻いていてどこを歩いているのかわからなかったが、山の頂上で三角
標石を見つけ、初めて横通岳に登ったことがわかった。その後今年の三月三十一日にここ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
りをするから、十三日、迎火を焚く夜からは、寺々の卵塔は申すまでもない、野に山に、
標石、奥津城のある処、昔を今に思い出したような無縁墓、古塚までも、かすかなしめっ....
「都会の幽気」より 著者:豊島与志雄
差し出てる植込の枝下、垣根のほとり、門口の廂の下、電柱の立ってる三つ辻、溝の横の
標石の上、往来に面してる窓際、其他凡そ人の身を置き得るあらゆる場所に、歯をくいし....
「生活について」より 著者:豊島与志雄
その目的は、一定の方向の――無限の距離まで延びている一定の方向の、所々に散在する
標石の如きものである。今日の目的があり、明日の目的がある。そして最終のものは、所....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
することが多かった。するとクリストフは祖父のそばで、ぐらぐらする石積の横の方や、
標石や、またどんなに不安定で変なものであろうと何か高いものがあれば、その上に腰を....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
などが見えた。ほとんど人通りもない小さな坂道が、庭の右に沿って通じていた。そこの
標石の上によじ上ると、壁越しに覗《のぞ》き込まれた。クリストフもそれをやってみな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は、ふり返った。そして大|袈裟《げさ》な身振りをやってるクリストフの姿を見、ある
標石の上にすわって、待ち受けた。クリストフは元気な顔つきをし、飛びはねながら近寄....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
戯《いたずら》っ児《こ》の時分にその広庭をのぞき込むためよじ登った、見覚えのある
標石があった。そして彼は、その通りも壁も庭も非常に小さくなったのに驚かされた。正....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の上にある一片のパンを食って晩飯をすました。そしてベンチの代わりに庭にころがした
標石の上に腰掛けていた。
その石のベンチの近くには、昔の果樹園にはよくあるとお....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
が寝ている。」
ジャン・ヴァルジャンはひとり列から離れて、居酒屋の角《かど》の
標石に腰掛け、銃を膝《ひざ》の間にはさんで、その時まで周囲に起こってることには少....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
ce to face." と刻してある。その後ウェストミンスター・アベーに記念の
標石を納めようという提議が大学総長や王立協会会長などの間に持出され、その資金が募....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
るようにおぼゆ。山は麓より巓まで、ひた上り五十二町にして、一町ごとに町数を勒せる
標石あり。路はすべて杉の立樹の蔭につき、繞り※りて上りはすれど、下りということ更....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
既に外皮のところどころはボロボロにくずれかけていた。その中に日本と露西亜との境界
標石が厳然と立っているのだ。正方形の台座に据えられた鼠いろのその
標石は高さは二尺....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
ろぼろの岩屑と変っている岩の間を匐い上り、長いが狭い頂上の突端に立った。三角点の
標石があって、櫓は横に倒れている。岩巣だけに石楠が多い。豆桜らしいものがあったの....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
苦しかったことを取り交ぜて、「今年は釜の当り年だ」というようなことを書いた紙片を
標石の上に載せて置いた。そして明日にも中村君が之を見たなら、「ナーンだ、馬鹿だな....