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模範
「模範〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
模範の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
等の或ものは彼の嘲笑を憤った。しかし又彼等の或ものは彼の嘲笑を感ずる為にも余りに
模範的君子だった。彼は「厭《いや》な奴《やつ》」と呼ばれることには常に多少の愉快....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
帯びていたので、自然と孤独に甘んじるような境涯に置かれてしまったのでしょう。実際
模範的な開化の紳士だった三浦が、多少彼の時代と色彩を異にしていたのは、この理想的....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
の高い赭《あか》ら顔。――そう云う彼の特色は、少くともこの老将軍には、帝国軍人の
模範《もはん》らしい、好印象を与えた容子《ようす》だった。将軍はそこに立ち止まっ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早くも暁の光を吸い初めたのだ。
模範船(港内に四五|艘あるのだが、船も大きいし、それに老練な漁夫が乗り込んでいて....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
想した瞬間から、私が格段に瑕瑾の少い生活に入ったことはそれは確かだ。私が隣人から
模範的の青年として取り扱われたことは、私の誇りとしてではなく、私のみじめな懺悔と....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
の夏であった、フランシスが十二人の伴侶と羅馬に行って、イノセント三世から、基督を
模範にして生活する事と、寺院で説教する事との印可を受けて帰ったのは。この事があっ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
う参謀総長が長年、ドイツの参謀本部を牛耳っておりまして、ハンニバルのカンネ会戦を
模範とし、敵の両翼を包囲し騎兵をその背後に進め敵の主力を包囲|殲滅すべきことを強....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
示したクレーマー出版の『ウェルタール・ウント・メンシハイト』の精巧細緻なレザーの
模範的装釘も痕跡だになく亡び、此頃での大出版と云われる剣橋現代史も尚だ到着したば....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
も、群集はこの時くらい驚異の念は起すまい。 烏帽子もともにこの装束は、織ものの
模範、美術の表品、源平時代の参考として、かつて博覧会にも飾られた、鎌倉殿が秘蔵の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
。斯うした人達は、いつも愛と平和の清き雰囲気の裡に包まれ、生きては輝かしき人間の
模範と仰がれ、死すれば直ちに安息の境地に迎えられて、平和の真光に浴するのである。....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
ある。それは孔子だの、仏陀だの、クリストだの、ソークラテースだの、そういう後世に
模範を垂れた古今の聖人である。聖人といえどもその人格が絶対的に完全なりや否や、な....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ぜんと欲するものなり。 政教子曰く、わが国有形上の文明は、今日すでに欧米諸国の
模範を取り、ほとんど大成すといって可なり。しかして、無形上の文明すなわち余がいわ....
「西航日録」より 著者:井上円了
戸数を有する一部落にして、全村クエーカー宗の信徒なり。村民の品行勤倹、実に一国の
模範となれり。アイルランド中にて、酒店なく質屋なく巡査の必要なきは、この一村のみ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
を請いたるに、即時に快諾せられ、視学官長に命じて案内せしめらる。まずはじめに市内
模範の小学校に至る。建築壮大、設備整頓、なかんずく生徒に対し、日々国旗の前に整列....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
大王の会戦中の最高作品であり、大王のほとんど全会戦を批難したナポレオンさえ百世の
模範なりとして極力賞讃したのである。墺軍はシュレージエンに進入した九万中僅かにそ....