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模造
「模造〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
模造の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家霊」より 著者:岡本かの子
、鏨の手の拳に打ち卸される。窓から覗いているくめ子は、嘗《かつ》て学校で見た石膏
模造の希臘《ギリシア》彫刻の円盤投げの青年像が、その円盤をさし挟んだ右腕を人間の....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
たる失策だッ! 死んでも死に切れない。 「吾輩はかねてこの危険を慮り、T市の鍵の
模造品を用意して身辺に保管して置いたのだ。昨夜の暴漢は、それを偽せ鍵とも知らずし....
「食魔」より 著者:岡本かの子
死んでからも顔を描き上げようとはしなかった。隻眼を眇にして睨みながら哄笑している
模造人面疽の顔は、ずった偶然によって却って意味を深めたように思えた。人生の不如意....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
法・行政の三権を鼎立せしむべきを論じ、要するにもっぱら英国の政体をただちに日本に
模造するの説を抱きたるがごとし。この翻訳的論派はかの過激的民権論よりも一層穏当な....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
受け検査官一名及び同僚巡査一名と共に、都合三名で、ビヽエン街五十七番館に住む飾物
模造職藻西太郎と云う者をば、バチグノールの此家に住で居る伯父を殺したと云う嫌疑で....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
造の西洋館と変じ、当時の異人の手によって建てられたり、あるいは日本の大工によって
模造されたりした事と思う。 それらの西洋風建築は大阪では何んといっても川口町本....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
事が出来難い不便な位置にあるために、ついその花だけを眺め、何の支度もなく花だけを
模造しようとする傾向があり、また、若き壮なる年配にあっては特にそれを先ず企てよう....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
具に限らず雑貨にしろ、洋菓子にしろ何によらずその体裁と外形だけはさも舶来品らしく
模造し出したので、ちょっと見たところはさもよいものであるらしく見えたりするのであ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、主人みずから青蛙堂と称している。蝦蟆は三本足で、支那の一部に崇拝される青蛙神を
模造したものである。 この青蛙堂の広間で、俳句や書画の会が催されることもある。....
「人造物語」より 著者:海野十三
、人造真珠、人造宝石、などと、数えてゆけば、きりがない。これ等の造品は、天然物の
模造として代用品の役目をつとめるばかりではなく、天然物より勝れた点を多く持ってい....
「想像と装飾の美」より 著者:岸田劉生
する装飾が即ち美術でありここに造形の原因がある。もとよりもう一つの方面である所の
模造の本能も美術の原因にはなる。しかし美術が芸術として人の「心」の糧となるには、....
「真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
が値も高いし、それに会期中持ち帰る訳にも行くまいから、二週間以内に十万円位であの
模造品を造って呉れまいかと云うのであった。商会主は佐瀬技師と相談の上八万円で引受....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
り、その御殿の中には仏が衆生を済度する有様を模擬したるものあれば、また王公大臣の
模造もあります。その下にもいろいろ人形が置いてあるです。それはみな何で作って居る....
「娘」より 著者:岡本かの子
。商売は、痛し痒しの状態であった。 一ばん大敵なのは七八年前から特に盛になった
模造品の進出であった。だんだん巧妙な質のものが出て来た。室子の父も、商売には抜か....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
具のような花であり、日本の花は深い美を蔵し、含蓄ある深味をもっているので、これを
模造することは容易でないわけだ。 さらに食料品においても全く同じことが繰り返し....