権化[語句情報] »
権化
「権化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
権化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ためしのあるべき筈がない。もしこの世にそのような人間があるとすれば、それは仏陀の
権化《ごんげ》か、但しは妖魔の化生《けしょう》であると、彼は鋭く言い切った。 「....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
とすれどそのかいもない。この大荒廃を繕うために再び女※を必要とする。われわれは大
権化の出現を待つ。まあ、茶でも一口すすろうではないか。明るい午後の日は竹林にはえ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と云い、それが培って華と結んだのがファウスト博士であって、彼こそは中世魔法精神の
権化であると結論しているのだ」
「なるほど」と検事は皮肉に笑って、「五月になれば....
「獄中記」より 著者:大杉栄
たが、この獄則を守る点では、先きにも言ったようにまるで裏表のない、獄則そのものの
権化と言ってもいいくらいだった。数年前の規則そのままに、歩く時には手を少しも振ら....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
た人達であった。かの地上にありし日のイエスこそは、正に高き克己心と、清き熱誠との
権化ではなかったか。彼は飽までも自己を抑えて、真理の為めに一身を犠牲にすることを....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
すか。」かゆい所に手の届くような心づかいだった。まるで、自分に対する親切と好意の
権化のように思われた。 もうその人に対する心の警戒も遠慮も忘れて、頼もしく嬉し....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
嫁づかんと宣言していたのである。 すなわち、ブルンヒルデ女王こそは、北方精神の
権化ともいう、鬼神的女王なのであった。 だからこそ、グンテル王は自分の力量を知....
「火の扉」より 著者:岸田国士
て、そのために威儀をますとさえ思われるたぐいの、気取つて言えば、天上を舞う魅惑の
権化そのものであつた。 市ノ瀬牧人のこういう観察は、うい/\しい驚きと、苦つぽ....
「思い」より 著者:伊丹万作
紳士なることを疑わないが、一度、会社の代表たる位置に立たんか、たちまち利益打算の
権化となるであろうことは決して想像に難くない。彼らの背には、多くの重役、株主、会....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
行く末は所詮われわれの及ぶところではない。お身は神じゃ、われわれの尊崇する魔神の
権化じゃ。ゆくゆくはわれらがひざまずいて、却ってお身の光りを拝まねばなるまい。わ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
として最後の光栄を柩に飾ったが、本来官僚の寵児で、礼儀三千威儀三百の官人|気質の
権化であったから、豪放|洒脱な官界の逸人高橋自恃庵が作った放縦自由な空気は忽ち一....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
レンの壮大なリズムをもって、新精神は鳴り響いた。 エセックスこそ、その新精神の
権化だったのである。彼は決定的にスペインをたたきつけることにより、イングランドの....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
なかった。今日の市会の様子を見てみると、どうも議員が真面目じゃないね。すべてが金
権化しているね。これじゃ賀川市長がいくら苦心して、空中征服を思い立っても結局は駄....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、この象徴手段が採り入れられてあります。一つの便利な文学的の手法です。 智慧の
権化である文殊菩薩は、さすがに自信があるものかこれを引受けて出かけます。智慧の横....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れる胴体、 砂をかけ合う無邪、 旺盛な精力、実にすばらしい生殖慾、 母愛の
権化、 煩悩、嫉妬、反噛、 頭と頸とを重ね、 口を寄せ、 また無関心に蹲....