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横たえる
「横たえる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横たえるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
桟橋に、野獣のような諸国の労働者が群がる所に、この小さな絵島丸が疲れきった船体を
横たえる時、あの木村が例のめまぐるしい機敏さで、アメリカ風《ふう》になり済ました....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
あろうか。発狂したとしたら、何故発狂したのか。そして何故にこんな雪山の上に巨体を
横たえるようなことになったのであろうか。不思議である。奇抜すぎる。本当のことと思....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
如何にも癪に障る訳だ、夜の明けるまで寝るとしても埃の一寸も溜って居る室の中に身を
横たえる訳に行かず、室の何所かに寝台でも有れば好いのに、爾だ、手探りに探って見よ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
立っていた。 やがて広告気球が降り切って、その可愛い天体の様な姿を私達の頭上に
横たえると、喬介は瓦斯注入口の弁を開いてその中へ細い手首を差し込み、暫く気嚢の内....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
殺は殺、なぜその残虐を敢てするな?」 「では俺からお前へ訊こう。腰間に秋水を何故
横たえるな?」 「すなわち悪魔降下のためよ」 「その悪魔はどこにいるな?」 「内....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ちの間に起こる。続いて「フム、ヨウ」の掛け声も起こる。半蔵を葬るためには、寝棺を
横たえるだけのかなりの広さ深さもいるとあって、掘り起こされる土はそのあたりに山と....
「十五年間」より 著者:太宰治
る。 秩序ある生活と、アルコールやニコチンを抜いた清潔なからだを純白のシーツに
横たえる事とを、いつも念願にしていながら、私は薄汚い泥酔者として場末の露地をうろ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
も、運命を畏れざる軽卒である。おそらく何人といえども、この反省の自分の行為の前に
横たえる溝渠を越えることは容易ではあるまい。私の足はぴったりと止まった。私には自....
「超人間X号」より 著者:海野十三
きかえるように、血一滴出ないくらいであった。 X号は谷博士のからだを、床の上に
横たえると、すぐに部屋からとびだしたのである。 「よし、これで向こうの計画はわか....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
畳の上にゴロリと横になることができた。但し畳の上といっても、狭い三尺の方に身体を
横たえるので、頭と脚とが外にはみ出すのであった。それでも女はたいへん喜んで、すぐ....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
れは、どうも恐縮ですな。」と、いいながら受け取って、炉棚の大理石の上に、人形でも
横たえるように、大事に花束を置いた。 そして、席に帰ると、 「新子さんは、ご病....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
上はよほど荒るると見えたり、願わくは波速かに静まれと祈りつつ、ふたたび船底に身を
横たえる、途端もあらせず、船は何物かに衝突しけん、凄まじき音して少しく右舷に傾け....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
し! なよたけ! (彼女を抱きかかえたまま、前面に連れて来て、丘の傾斜面にそっと
横たえる。突然、驚愕の色)なよたけ! 死んじゃいけない! しっかりおし! しっか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
頭から足の先まで化膿した腫物に蔽われながら、いうにいわれぬ苦痛の身を、瀕死の床に
横たえる彼だった。彼の病床は、例の小礼拝房のなかに吊り上げられ、それゆえ、その死....
「はつ恋」より 著者:神西清
ほがらかな天気や、さわやかな空気や、さっさと歩く快さや、茂った草の上にひとり身を
横たえる酔い心地や――そうしたものの方が勝ちを占めてしまった。あの忘れられぬ言葉....