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横合
「横合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
横合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
かつきみねたろう》、俳号《はいごう》は青蓋《せいがい》じゃないか?」
わたしは
横合いから口を挟《はさ》んだ。その若槻という実業家とは、わたしもつい四五日|前《....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
そのままの恋をするよりほかはあるまい。何と御身《おみ》もそうは思われぬか。」と、
横合いから御姫様の御顔を御覗きになりました。
十九
「されば....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
せん。それが側《はた》で見ていても、余り歯痒《はがゆ》い気がするので、時には私も
横合いから、『それは何でも君のように、隅から隅まで自分の心もちを点検してかかると....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
かく雲行きが悪いんで弱りますな。天候も財界も昨今のようじゃ、――」
お絹の夫も
横合いから、滑かな言葉をつけ加えた。ちょうど見舞いに来合せていた、この若い呉服屋....
「路上」より 著者:芥川竜之介
になく火照《ほて》っているのには、誰も気づかずにいたらしかった。
すると野村も
横合いから、今夜は特に愉快そうな口を出して、
「辰子さんは初子さんの従妹《いとこ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
やる心算《つもり》でしたわ。」
三番目の娘は笑いながら、活《い》き活《い》きと
横合いから口を出した。彼女はまだ童女の年輩から、いくらも出てはいないらしかった。....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
笑が、面憎《つらにく》いような心もちにもなった。そこへ江木《えぎ》上等兵が、突然
横合いから声をかけた。
「どうだい、握手で××××のは?」
「いけねえ。いけねえ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
むね》の罎《びん》を取り上げた。そうして猪口《ちょく》へつごうとした。その時誰か
横合いから、「幸《こう》さん」とはっきり呼んだものがあった。客は明らかにびっくり....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「不可いよ、」 と強く云う、お蔦の声が屹としたので、きょとんとして立つ処を、
横合からお源の手が、ちょろりとその執心の茶碗を掻攫って、 「失礼だわ。」 と極....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
だから、時々飲んでいたんですが、食が少いから涸れがちなんです。私を仰向けにして、
横合から胸をはだけて、……まだ袷、お雪さんの肌には微かに紅の気のちらついた、春の....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、ひょこひょこ出て行く。 釜の湯気が颯と分れて、門附の頬に影がさした。 女房
横合から来て、 「いつまで、うっかり見送ってじゃ、そんなに敵が打たれたいの。」 ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
返事をされたもどかしさに、声で威して甲走る。 吃驚して、ひょいと顔を上げると、
横合から硝子窓へ照々と当る日が、片頬へかっと射したので、ぱちぱちと瞬いた。 「そ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
せえた。……お通りすがりが、何とも申されぬいい匂で、その香をたよりに、いきなり、
横合の暗がりから、お白い頸へ噛りついたものがござります。」…… 「…………」 「....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
それと二人は卓子を挟んで斉しく立上ったのが、一所になり前後になって出ようとする、
横合の椅子から、 「やあ、」と声を懸けたのは、件の兀頭の小男であった。 金之助....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
時にお夏の背後へ、密と寄ったは、乗せて来た車夫で。 トもじもじ立迷ったが、
横合から、 「お傘を、お嬢様。」 「あいよ、」 その時袖が放れたので、愛吉は傍....